研究課題/領域番号 |
04J04559
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山根 祐治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高分子ゲル / 配向ゲル / 液晶ゲル / 三次元NMR / ゲル拡散NMR / 時間依存拡散係数 |
研究概要 |
まず、『ゲル拡散NMRシステム』の評価材料としてポリペプチドゲルを調製した。PBLG[poly(γ-benzyl-L-glutamate)]鎖はヘリックス溶媒中でα-ヘリックス構造を形成し、強磁場中で磁場方向に配向する。そこで、強磁場中でジアミノエタンで架橋させることにより、磁場方向に平行にPBLG鎖が配向し、架橋分子が垂直方向に配向した異方的かつネットワークが制御されたポリペプチドゲルを合成した。このゲルを『ゲル拡散NMRシステム』により解析した結果、ゲル内のプローブ分子の異方的な拡散挙動を精度高く評価することに成功した。 さらに、高磁場中において高配向したPBLG鎖を架橋剤エチレンジアミンにより架橋させてゲルを調製する過程において、溶媒クロロホルムと架橋PBLGが相分離を起こし、直径約70μmスケールのチャンネルキャビティーを有するPBLGゲルが創成されることを発見した。三次元NMR顕微鏡、広角X線回折法及び光学顕微鏡を用いてPBLGゲル中に形成されたチャンネルキャビティーの三次元構造の画像化に成功し、三次元表現プログラムを組み込んだ三次元NMR顕微鏡法及び拡散NMR法を開発し、PBLGゲル中に形成されたμmスケールチャンネルキャビティーの高精度キャラクタリゼーションに成功した。この三次元NMR顕微鏡はμmスケールチャンネルキャビティーを三次元動画として計測でき、様々な系に応用できる。また、拡散NMR法を用いてプローブ分子がチャンネルの壁により跳ね返される際に特徴的に現れるエコー信号強度の減衰を観測し、μmスケールチャンネルキャビティーの評価に成功するとともに、原理的にはnmスケールのキャビティーの解析へも展開できる。以上、述べたように、ゲルや多孔質材料におけるNMRシステムの有用性が示された。
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