研究課題/領域番号 |
04J04706
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
渡会 兼也 大阪教育大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ブラックホール / 降着円盤 / X線星 / 自己相似解 / アウトフロー / 相対論効果 |
研究概要 |
本研究はブラックホール候補天体のスペクトル状態遷移とジェット発生時の物理的状況を、理論モデルを観測と比較することで検証・解明することが目的である。本年度は昨年開発した解析的な手法を使い、光学的に薄い降着流の解も求めた。また、降着率が大きい場合に予想される光学的に厚いアウトフローが観測的にどう見えるか?を調べた。(次ページの研究発表欄の論文のうち、最初の2つは昨年の研究実績報告書で触れたので省略する) 1.光学的に薄い降着流は理論的にもジェットが出やすいことが指摘されているが、解析的な扱いが難しい。従来から光学的に薄い降着流には、自己相似解と呼ばれる解析解が存在するが、その適用範囲は非常に限られている。我々は昨年開発した手法でエネルギー方程式を修正すると、非常に幅広い領域でも適用できることがわかった。この解は、ブラックホール候補天体の静穏時で観測されている、光学的に薄い領域と厚い領域の遷移半径を評価する際や統計的な扱いも容易になると思われ、今後の発展が期待される。この結果は、2007年4月に日本天文学会欧文論文誌への掲載が決まっている。 2.相対論的なアウトフローが観測的にどうみえるか?を球対称風の場合について、相対論的なドップラー効果、ブラックホールによる時空の歪み等を効果も考慮して計算を行った。結果、質量放出率が大きい場合、アウトフローが作る光球面の半径は降着円盤の幾何学的な厚みを上回り、実際の観測はアウトフローが形成する光球面を見ている可能性を指摘した。この結果は、2006年8月にプラハで行われた国際天文連合総会で発表した。 3.東京大学の高橋労太氏と共同で、昨年出版した"食のあるブラックホール候補天体の光度曲線解析"の手法を応用し、食の光度曲線のプロファイルからブラックホールの回転を見積もる方法を提案した。その際、恒星の大気の効果も考慮したが、結果的に光度曲線の非対称性の度合いから、ブラックホールの回転パラメータの制限が可能であることがわかった。この結果はMonthly Notices of the Royal Astronomical Society誌に出版された。
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