研究概要 |
地球形成プロセスにも関わる重大なパラドックスである"Missing XE"の解明を目的とし、「Kr, Xeが地球深部に存在する可能性」と「その存在形態」を解明するために以下のような研究活動を行った。 1,希ガス濃集モデル物質の試料合成。 2,作成したモデル試料の脱ガスパターンを同位体質量分析器を用いて測定。 3,希ガス含有量が希薄であるため測定が困難とされていた隕石物質Q(隕石中の希ガス濃集物質)の蛍光XAFS測定を行い、XANES領域の測定に成功。 4,合成した希ガスをドープした出発試料を基に、高温高圧下で地球内部物質を合成。 結果、高温高圧下で合成した試料の脱ガスパターンは、隕石中の希ガス濃集物質"Q"と同じような挙動を示すことがわかった。今回作成した試料はQに固有の脱ガス挙動を再現しており、今後これらの試料の構造解析結果などを比較検討することで、未知であるQの組成や構造が明らかになると同時に、Q内に存在する希ガスが物理吸着で存在するといわれているにもかかわらず、800Kという高温まで脱ガスしない理由も明らかに出来ると期待される。
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