研究課題/領域番号 |
04J05003
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
矢出 亨 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 導電性高分子 / π電子系材料 / 酸化 / 電子スピン共鳴スペクトル / 近赤外吸収スペクトル / 電荷移動 / ラジカルカチオン / オリゴマー / アニオン重合 / ラジカル重合 / 立体規制 / 淡色効果 / 長波長シフト / コンホメーション / π-スタック構造 |
研究概要 |
ジベンゾフルベン(DBF)は、1,1-ジフェニルエチレンに似たかさ高い構造を有するにも関わらず、効率よくビニル重合して主鎖が概ねジグザグ型で側鎖のフルオレン残基が規則正しくスタックした"π-スタック構造"を有するポリマー(poly(DBF))を与える。poly(DBF)は集積したπ電子系に基づいて、吸収スペクトルにおいては顕著な淡色効果を、発光スペクトルにおいては特徴的なエキシマー発光(ダイマー発光)を示し、さらに、ビニルポリマーとしては高い電荷移動特性を有す。本年度の研究では、DBFの芳香環部分(フルオレン残基)のπ電子系を拡張した新しいπ-スタックポリマーの構築を目標として、新規なDBF誘導体を合成した。π電子系を拡張した芳香環残基としてベンゾフルオレン単位を有する新規モノマーである11-メチレン-11H-ベンゾ[b]フルオレン(1)を次の方法で合成した。まず、σフタルアルデヒドと1-インダノンとのNaOEt存在下での反応により11H-ベンゾ[b]フルオレン-11-オンを合成し、これにMeMgBrを反応させて11-メチル-11H-ベンゾ[b]フルオレン-11-オールを得た。次に、p-トルエンスルホン酸存在下でのこの化合物の脱水反応により1を得た。また、11H-ベンゾ[b]フルオレン-11-オンの還元により、モノマー単位のモデル化合物である11H-ベンゾ[b]フルオレンを合成した。1はDBFと同様に良好な重合反応性を示し、n-BuLiを開始剤とするアニオン重合により高収率で高分子(poly-1)を与えた。このポリマーは、poly(DBF)と同様に、吸収スペクトルにおいては顕著な淡色効果を示し、蛍光スペクトルにおいてはほぼエキシマー発光のみを示した。また、^1H NMRスペクトルにはpoly(DBF)のものと良く似たパターンが見られた。これらの結果から、poly-1はpoly(DBF)と同様のπ-スタック構造を有するものと考えられる。
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