研究課題/領域番号 |
04J05323
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物生産化学・生物有機化学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
細野 崇 日本大学, 生物資源科学部, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 血小板凝集抑制作用 / がん細胞増殖抑制作用 / チューブリン / ガーリック / 増殖抑制作用 / アポトーシス / 抗腫瘍効果 |
研究概要 |
植物性含硫化合物には、抗菌作用、抗血小板作用などの多彩な薬理作用を有することが知られている。中でもガーリックの香気成分には、強力な抗血小板作用、抗がん作用を有する化合物alk(en)yl sulfides、とくにdiallyl trisulfide(DATS)が存在する。昨年度の結果ではin vitroにおいて、アラキドン酸により惹起させた血小板凝集をDATSは顕著に抑制したが、ヌードマウスを用いたin vivoの検討では、DATSの経口投与では抗がん活性は観察されなかった。 そこで本年度は、投与経路を尾静脈投与に変更し、DATSのin vivoの抗がん活性の有無を検討した。その結果、DATS投与はvehicle投与と比べ、摘出した腫瘍のサイズが1/3であり、腫瘍増殖の抑制が認められた。また、摘出した腫瘍について組織化学的な解析を行ったところ、vehicle投与マウスの腫瘍と比べてDATS投与マウスの腫瘍では、より広範囲に壊死像が観察され、DATSはin vivoにおいても抗腫瘍効果を示し、さらに、DATSのin vitroのがん細胞増殖抑制の分子機構を解析する中で、diallyl trisulfideが細胞周期の進行に影響を及ぼし、分裂期で細胞周期を一過性にアレストした後にapoptosisを誘導すること、DATSの標的分子の一つが細胞骨格タンパク質であるβ-tubulinであり、tubulinのcysteine残基をS-allyl修飾することによってtubulinの機能を阻害することを明らかにした。 以上の結果から、植物性含硫化合物は血小板凝集抑制と抗腫瘍活性を持つことが明らかとなった。今後は、植物性含硫化合物による転移の阻止を血小板凝集抑制とtubulinタンパク質の機能阻害の両面からの検討が必要である。
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