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捕食寄生性ヤドリバエの天敵としての有効性

研究課題

研究課題/領域番号 04J06407
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 応用昆虫学
研究機関独立行政法人国際農林水産業研究センター (2005-2006)
九州大学 (2004)

研究代表者

一木 良子  独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境領域, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード昆虫 / ヤドリバエ / 天敵 / 補食寄生 / 寄主 / 寄主探索 / 寄主制御 / 生物的防除 / 捕食寄生 / 3者系 / 害虫防除 / 色覚 / 捕食寄生者 / 寄生バエ / 寄主選択 / 生活史 / 風洞
研究概要

ヤドリバエが、寄主体内で、寄主の生体防御および他の寄生者との競争を回避し寄生を成功させるメカニズムを明らかにすることは、天敵利用の効率を評価する上で重要である。本年度は、これまで行ってきた寄主探索機構の解明とあわせて、ヤドリバエの寄主制御機構について重点的に研究を行うとともに寄主体内での寄生バチとの競争に着目した。アワヨトウをはじめとするチョウ目幼虫の天敵であるノコギリハリバエ(以下ノコギリ)は、寄主の中腸に寄生し、寄主の気管を利用してシュノーケルのように呼吸をする。今回、本種が中腸に潜行し呼吸を開始するまでの一連の行動を生きた状態のまま観察・撮影することに成功した。また、このハエの幼虫は、寄主が摂食している間は、中腸壁と囲食膜の間隙に留まり発育をほぼ停止しているが、寄主が前蛹になり囲食膜が排出されると中腸腔内で速やかに発育する。一方、カリヤコマユバチ(以下カリヤ)は、アワヨトウの血体腔に寄生するが、寄主幼虫が蛹になると脱出できないため、寄主の発育を制御し前蛹化を遅延させる。両者が同時にアワヨトウ幼虫に寄生した時、寄主の前蛹化が起こらずノコギリが寄生に失敗するのではないかという仮説を立て、その検証を試みた。しかしながら、終齢(6齢)0日目の寄主に両者をほぼ同時に産卵・寄生させた場合、多くの寄主が未寄生寄主と同様にほぼ5日目に前蛹化し、ノコギリだけが寄生に成功した割合が高かった。5齢0日目の寄主に両者を寄生させた時は、寄主が前蛹化しノコギリだけが寄生に成功した割合と、寄主が前蛹化せずカリヤおよびノコギリの両方が寄生に成功した割合が同等にみられ、カリヤだけが寄生に成功することは少なかった。従って、両者が同時に寄生した場合、カリヤに比べノコギリが寄生に成功する割合が高いことが明らかとなった。このヤドリバエは、体腔ではなく中腸に寄生することによって、寄主の生体防御を回避するとともに他の寄生者との競争を避け、寄生成功率を高めている可能性が示唆された。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Temperature-sensitive eye color mutation in the parasitoid fly Exorista japonica Townsend (Diptera : Tachinidae).2007

    • 著者名/発表者名
      Ichiki, R., Y.Nakahara, Y.Kainoh, S.Nakamura
    • 雑誌名

      Journal of Applied Entomology 13・4

      ページ: 289-292

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Oviposition and immature development of the parasitoid fly Compsilura concinnata (Meigen) (Diptera : Tachinidae).2007

    • 著者名/発表者名
      Ichiki, R., S.Nakamura
    • 雑誌名

      Japan Agricultural Research Quarterly 41・3

      ページ: 227-232

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Oviposition behaviour of the parasitoid fly Bessa parallela (Meigen) (Diptera : Tachinidae) in the field.2006

    • 著者名/発表者名
      Ichiki, R., S.Nakamura, K.Takasu, H.Shima
    • 雑誌名

      Applied Entomology and Zoology 41・4

      ページ: 659-665

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] ヤドリバエの寄主探索行動と繁殖戦略2006

    • 著者名/発表者名
      中村 達, 一木良子
    • 雑誌名

      植物防疫 60・12

      ページ: 587-590

    • NAID

      40015188272

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Oviposition site preference of the parasitic fly Bessa parallela (Meigen) (Diptera : Tachinidae)2004

    • 著者名/発表者名
      Ichiki, R., K.Takasu, H.Shima
    • 雑誌名

      Acta Dipterologica 21

      ページ: 123-127

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2024-03-26  

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