研究課題/領域番号 |
04J06592
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森本 正和 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 分子結晶 / フォトクロミズム / ジアリールエテン / 水素結合 / 電荷移動錯体 / 蛍光 |
研究概要 |
通常の単一成分結晶では達成できない新規な光機能の発現を目指して、ジアリールエテン分子と異種分子との複合結晶を作製し、その結晶構造とフォトクロミック反応挙動を検討した。 昨年度はジアリールエテン分子と蛍光分子との複合結晶を作製したが、それはジアリールエテンの結晶に蛍光分子が5%ほど混合した固溶体であった。結晶の組成と分子配列をより高度に制御するための分子間相互作用として水素結合を検討した。カルボキシル基を有するジアリールエテンは、単結晶中においてカルボキシル基間の水素結合により環状4量体構造を形成し、反応活性なコンフォーマーと反応不活性なコンフォーマーが1:1の比で存在していた。ビピリジンと混合して再結晶すると、ジアリールエテンとビピリジンを1:1の組成で含む単結晶が得られた。これらの結晶においては、カルボキシル基とピリジル基の間の水素結合により一次元鎖や二次元シートなどの分子集合体が形成され、すべてのジアリーエテン分子が反応活性なコンフォメーションに固定された。また、カルボキシル基部分のコンフォメーションに依存して、結晶によって着色体の吸収スペクトルのシフトが認められた。結晶構造と反応性を制御する上での分子間水素結合の有用性が示された。 電気伝導度の光制御を目指して、ジアリールエテン部位を含む電荷移動錯体のフォトクロミズムを検討した。電子供与性のフェニレンジアミン部位を有するジアリールエテンを電子受容性分子と溶液中で混合すると、電荷移動錯体とラジカルイオンを形成した。ジアリールエテンのフォトクロミック反応に伴い、2つの異性体の酸化電位の違いを反映して、電荷移動錯体とラジカルイオンの生成量が変化した。フォトクロミック反応により分子間の電荷移動相互作用を制御できることが示された。また、この電荷移動錯体は1:1の組成の単結晶を形成し、結晶状態においてもフォトクロミズムを示した。
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