研究課題/領域番号 |
04J06746
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白澤 徹郎 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ニホウ化マグネシウム / 超薄膜 / 低速電子回折 / エピタキシャル成長 / 低速電子回析 |
研究概要 |
前年度までに低温LEED装置の開発と改良を完成させたため、ニホウ化マグネシウムの超薄膜を作成する基板として、SiC(0001)表面を用いた実験を行った。SiC(0001)表面はニホウ化マグネシウムとの格子不整合が約1%であることから、超薄膜作成の良い基板となることが予想される。まずSiC(0001)表面を清浄化するために、水素ガスを用いた表面エッチングと、窒素雰囲気中での高温アニールを行った。その結果SiC(0001)表面上にシリコン酸窒化超薄膜がエピタキシャル成長することを見出した。この結果はSiC-MOSデバイスで問題となっている絶縁膜/SiC界面の高欠陥密度の解消のために、非常に重要な役割を果たすことが期待されたため、このシリコン酸窒化超薄膜の物性評価を行った。このシリコン酸窒化超薄膜の構造はLEEDによる動力学的解析によって明らかにすることができた。1原子層のSiOとSiNが積層する非常に興味深い構造であることが分かった。非常に重要なことに、このシリコン酸窒化超薄膜にはダングリングボンドがなく、さらにSiC(0001)との界面は原子レベルで急峻であることが明らかになった。また、STMを用いたトンネル分光によって、約9eVのバンドギャップを持つことが明らかになった。電子構造は放射光施設(高エネルギー研究機構)において行った光電子分光実験によって明らかにした。今回の研究で発見したシリコン酸窒化超薄膜がSiC-MOSデバイスの高性能化にむけ重要な役割を果たすだけでなく、学術的にも広い領域にわたって非常に興味深いものであることが期待されたため、これらの結果をまとめ、Physical Review Letters誌に投稿し、掲載受理された。
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