研究課題/領域番号 |
04J06764
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村田 大 九州大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 鉄ポルフィセン / 再構成 / 西洋ワサビペルオキシダーゼ / 酸化触媒活性 / 反応中間体 / 酸化触媒反応 / ペルオキシダーゼ / 過酸化水素 / ミオグロビン / 酸素錯体 |
研究概要 |
本報告者は活性中心にあるヘムを人工補欠分子に置換する補欠分子再構成法によって、ヘムタンパク質の機能改変・機能向上を目指している。ヘムタンパク質の一種である西洋ワサビペルオキシダーゼ(Horseradish peroxidase, HRP)は非常に高い酸化触媒活性を有する酸化酵素である。このHRPの機能向上を試み、合成によって得られたヘムの構造異性体である鉄ポルフィセンを有する再構成HRPの構築を実施した。 実際に酸変性によってヘムを除去したアポHRPに鉄ポルフィセンを挿入し、カラムクロマトグラフィー(サイズ排除・陰イオン交換)による精製を経て鉄ポルフィセンを有する再構成HRPを得た。調製した再構成HRPと過酸化水素との反応を吸収スペクトルにより追跡したところ、2種類の中間体の生成が確認された。そのうち一つは鉄ポルフィセンのπカチオンラジカル種を示す820nm付近の吸収を有することから、oxoferryl πカチオンラジカル種であるcompound Iに相当する中間体であることが判明した。この鉄ポルフィセンのcompound Iの観測は初めての例であり、HRPタンパク質マトリックスを用いることで、穏やかな条件でその形成を確認することに成功した。またstopped-flow法により、過酸化水素存在下での2-methoxyphenolの酸化触媒反応における速度定数を評価した。その結果、compound Iにおける基質の酸化速度定数h、compound IIにおける基質の酸化速度定数k_3はともに天然HRPよりも大きく、再構成HRPにおける反応中間体の活性の高さが明らかとなった。さらにthioanisole酸化反応に対する再構成HRPの触媒活性も天然HRPの約20倍向上することが分かり、HRP内における鉄ポルフィセンの高酸化活性種の高い反応性が実証された。このように、鉄ポルフィセンを有する再構成HRPにおける反応中間体と、酸化触媒活性に対する新しい知見を得た。
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