研究課題/領域番号 |
04J06829
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 生理学研究所 (2005) 総合研究大学院大学 (2004) |
研究代表者 |
田中 悟志 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 運動前野 / 頭頂葉 / 認知機能 / 機能的磁気共鳴画像法 / 磁気刺激 / 脳機能画像 |
研究概要 |
近年の思考に関する脳機能画像実験から、作業記憶課題や推論課題などの思考課題中活動を示す脳部位は、実は前頭葉の運動関連領野や頭頂葉、小脳など、人間で最も発達しヒト知性の座と考えられてきた前頭前野以外の領域も含まれることが明らかになってきた。本研究では、思考課題における前頭葉運動関連領野と他の脳領域との関連、特に頭頂葉との関連に焦点をあて、それぞれの領域固有性をもった機能の違いについて機能的磁気共鳴画像装置を用いた実験を行った。本研究では、情報を静的に保持する過程には後部頭頂皮質が、保持した情報を動的に操作する過程には頭頂葉に加えて運動前野が寄与するという仮説に基づいた検討を行った。また、視空間情報操作課題として、わが国に古くから伝わる「あみだクジ」を応用した課題を開発した。被験者は、第1刺激として1秒間呈示されたあみだクジパタンを15秒間保持し、第2刺激で呈示されたクジの起点と保持しているクジの空間パタンを使って、終点にたどりつく。さらに15秒後に第3刺激として呈示されたクジの終点が、実際にあみだクジを行った終点と一致しているかを判断し、選択ボタン押し反応を行った。後部頭頂皮質の有意な活動は、あみだクジパタンを保持している第1刺激後と、あみだクジを実際に行う第2刺激後の両者で観察されたが、背外側運動前野の有意な活動は第2刺激後にのみ観察された。これらの結果は、後部頭頂皮質は空間情報の静的な記憶・保持と記憶した空間情報にもとづいて行う動的操作の両者に関与するのに対して、外側運動前野は、記憶情報の動的操作により特異的な役割を果たすことを示唆していると考えられる。
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