研究課題/領域番号 |
04J06946
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 独立行政法人医薬基盤研究所 (2005) 昭和薬科大学 (2004) |
研究代表者 |
小泉 直也 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト・派遣研究員(特別研究員PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / ファイバー / ターゲティング |
研究概要 |
遺伝子治療の実用化と一層の進展に向けての最大の鍵は、高い安全性を確保し、目的遺伝子を必要な細胞に効率良く導入し、安定に発現させる技術の開発である。申請者はこれらの目標を達成するために、ファイバーミュータントアデノウイルス(Ad)ベクターを開発し、遺伝子治療用ベクターとしてのAdベクターの有効性、安全性の向上を目指した研究を行ってきた。 Adベクターは多くの細胞に効率が良く遺伝子導入可能であることが知られており、この広い感染性はAd受容体であるcoxsackievirus and adenovirus receptor(CAR)、αvインテグリン、ヘパラン硫酸が多くの細胞に発現しているためであると考えられる。一方で、目的の細胞にのみ遺伝子導入可能なターゲティングAdベクターの開発には、CAR、αvインテグリン、ヘパラン硫酸と結合しないAdベクターを開発し、目的の細胞にのみ結合する機能を付与することが必要である。そのため申請者はCAR、αvインテグリン、ヘパラン硫酸と結合しない改変型Adベクターを開発し、マウス肝臓への遺伝子発現を1/1500まで低下させることに成功した。本研究では、更なる改良を行い1/10000以下まで肝臓での遺伝子発現を低下させたAdベクターの開発に成功し、さらにこのAdベクターは肝障害性の低下、および炎症性サイトカイン産生など自然免疫誘導の減弱が認められたことから安全性に優れたAdベクターであることを見出した。 本改良型Adベクターは、ターゲティングリガンドの同定技術を併せた研究により、ターゲティングAdベクターのための基盤ベクターになるものと考えられる。さらに、改良型AdベクターはAdベクターによる自然免疫誘導の減弱が認められることから、自然免疫誘導メカニズム解明に有用なベクターになると考えられる。今後詳細な検討をおこなうことで遺伝子治療用Adベクターの副作用回避のヒントを与えてくれると期待される。
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