現在までの研究では、バロー=グロスマン・モデルを用い、ハーバーガーの税体系を前提として政府部門による公共財供給の費用便益基準が失業等の存在する不均衡経済下でどのように修正されるかを考察してきた。この研究は、2003年日本経済学会秋季大会(明治大学)にて報告後、あるレフェリー誌に投稿中である。 現在の研究では、閉鎖経済下での公共プロジェクト評価に関する分析を行ってきた。現代社会は、いうまでもなく国内のみではなく海外との取引も不可欠なものとなっている。海外取引もモデルに取り入れるため開放経済下での分析が必要である。Ito-Negishi "Disequilibrium Trade Theories"を手掛りに不均衡・開放経済における公共プロジェクト評価における分析を進めていく。多くの発展途上国では、固定為替制度の下、外貨準備のため取引に制約が設けられている。このような国々では、失業や財市場での不均衡の問題がより深刻であるため、失業対策のための公共プロジェクトも数多くある。以上についての分析を行うために小国の仮定のもと貿易収支に制約を設け、閉鎖経済での分析を開放経済に拡張する。この研究において、ケインズ的失業下におけるシャドー・プライスの公式を求めている。これを2005年度日本経済学会春季大会(京都産業大学)にて報告する。そこでのコメントを受けた後、レフェリー紙に投稿する予定である。
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