研究課題/領域番号 |
04J08301
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長松 奈美江 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 階級・階層構造 / 仕事の自律性 / 所得分配 / 階級・階層 / 機会の平等 / 分配的正義 / 職業上の自己指令性 |
研究概要 |
1.階級構造の公正性にかんする理論的研究 本研究は、階級・階層という領域に注目し、そこにおける財の分配の公正性を理論的、実証的に探究するものである。これまでの階級・階層研究では、階級・階層構造の公正性を判断する基準として、「機会の平等」に関心が集中していた。一方で、「地位の不平等」、すなわち地位とライフチャンスに影響する資源との不平等な結びつきが公正であるかを問う試みがなされてこなかった。ライフチャンスに差異をもたらすものとして階級を定義する階級論、およびマルクス主義階級論に注目し、そこで地位の不平等の公正性を判断するいかなる正義が存在したかを確認した。個々人の平等と自由の尊重という理念に照らし合わせて、「機会の平等」規範の有効性と限界を示し、主としてマルクス主義階級論に拠りながら、「地位の不平等」の公正性を判断する妥当な基準を導出し、その正当化を試みた。以下の2、3では、現実の資源分配が、資源の公正性を判断する基準といかに乖離しているかを明らかにした。 2。仕事の自律性からみた雇用関係の変化 階級・階層地位に結びつく資源のひとつとして、仕事の自律性に注目し、その変化を分析した。被雇用者がどれほど仕事の自律性を持っているかによって、被雇用者がいかに管理されているかが、被雇用者間で仕事の自律性がいかに規定されているかによって、被雇用者間の雇用主への有利性の不平等がわかる。1979年「仕事と人間調査」と2001〜2年「情報化社会に関する全国調査」を用いて分析した結果、被雇用者の仕事の自律性が低下し、また、職業に結びつく解雇のリスクと専門性の違いによって仕事の自律性が差異化されるようになったことがわかった。 3。所得分配の公平性の研究 所得分配の公平、不公平性を判断する「技能にもとづく所得分配」というひとつの基準を提案し、男女有職者を対象にした全国調査データ(2004年「情報化社会に関する全国調査」)の分析から、技能を介さない、いかなる不公平な所得格差が存在しているのかを明らかにした。
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