研究課題/領域番号 |
04J08309
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥田 若菜 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ブラジリア連邦区 / 衛星都市 / 都市貧困層 / 路上不法就労 / 不法占拠 / インフォーマルセクター / ブラジル / 貧困 / 経済格差 / 格差日常化の論理 / 都市下層民 |
研究概要 |
本研究では主に人類学的手法であるフィールドワークに基づき調査を行った。平成16年度の5ヶ月間の現地調査で得られた資料および人間関係を足がかりとし、平成17年度・18年度に計15ヶ月の本格調査を行った。ブラジリア連邦大学人類学部グスターボ・リンス・ヒベイロ教授の指導を受けた。調査地は連邦区のなかで経済的貧困地区である衛星都市(行政地区)のひとつセイランジャである。また、平成18年8月には都市貧困層の主な出身地である北東部のうち4州を調査した。 本研究では、格差社会で生活するという状況において人びとがどのように折り合いをつけるのか、各階層メンバーが認める著しい社会格差(社会階層)の日常のなかの理解の仕方を探った。彼らが同階層でいつづけることの原因論ではなく、いま現在、同階層にいることの受容(受け入れ)論理について調査、分析を行った。「将来的には豊かになりたい。子どもを上昇させる。」ことへの望みをもっている一方で、都市下層にいるという現状との折り合いのつけかたである。 このような問題意識に基づき、1)低所得者層と中上流階層の階層意識、2)自己肯定の語り、3)各階層間における民間信仰の変化、4)各階層におけるPobre(貧困者)/Rico(金持ち)の定義などを中心に調査、インタビューを行った。 低所得者層の調査では、経済的貧困層が多く居住する衛星都市(行政地区)でインフォーマルセクターとして労働する人びとと生活を共にして、ライフヒストリー、経済状況、親族関係、相互扶助などが詳細に理解することができた。また、民間信仰の変化の事例として邪視信仰に焦点をあて、邪視信仰がどのような多様性を持っているのかを明らかにした。 これらの項目以外にも、ブラジルの都市下層を理解するうえで欠かせない都市問題の調査も継続して行った。ブラジリア連邦区において都市下層がどのように位置づけられているのか、どのような対策が政府によって行われているのかなどを調べ、『現代ブラジルにおける都市問題と政治の役割「論集」』に寄稿した。
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