研究課題/領域番号 |
04J08802
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中澤 達哉 北海道大学, スラブ研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スロヴァキア国民形成 / ナショナリズム / 民族自然権 / 伝統の援用 / 社団国家 / 選挙王政 / 共和政 |
研究概要 |
本研究は、ヨーロッパ中世後期の社団国家原理が近代国民の形成に寄与しているという新たな論点を付け加えることによって、ナショナリズム研究における近代論と原初論とを歴史学の見地から理論的に接近させることを目的としている。本年度は研究の初年度にあたることから、おもに研究の基盤整備を目指した。とりわけ、「民族自然権と社団国家原理の援用によるスロヴァキア国民形成理論」の実態を解明することを主たる研究目的とした。その際、国民形成における伝統的原理の働きを重点的に検討し、民族的国民主権イデオロギーの形成と構造とを解明することを心がけた。 科学研究費補助金はおもに、上記の研究遂行に必要とされたスロヴァキアへの調査研究、スロヴァキア共和国のマチツァ・スロヴェンスカー文書館、スロヴァキア科学アカデミー歴史学研究所、オーストリア国立図書館における史料蒐集(都市参事会史料・総督府史料・政府閣議史料などの一次史料)、スロヴァキア語・英語を中心とする関連図書の購入、多言語の膨大なデータを処理する高性能パソコンとその周辺機器、ソフトウェアの購入にあてられた。 最終的に、こうした1年間の研究の結果、中世後期の社団国家原理のなかでも、15世紀半ばの選挙王政期に結実した混合政体的かつ共和制的な社団国家原理が、近代スロヴァキア国民形成期に援用されていることが判明した。本研究は選挙王政期の国制原理そのものに関する研究も同時にすすめ、(1)「「王国の王冠」「王国の共同体」「王国の身体」-ハンガリーのレスプブリカ再考-」(小倉欣一編『近世ヨーロッパの東と西-共和政の理念と現実-』山川出版社、2004年11月)と題してその分析結果の一部を発表した。また、民族自然権と連動した近代におけるその機能については、(2)「近代への架橋-歴史的権利と選挙王政-」(『東欧史研究』第27号、2005年4月)を執筆・投稿し、掲載が決定した。
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