研究概要 |
1.微分方程式への特異点論的研究について 主に2階常微分方程式の特異性の問題を研究しました.古典解の2パラメータ族として方程式の曲面が現せるとき滑らかな完全解を持つと呼びます.滑らかな完全解を持つための条件とある種の分類を行いました.この結果を7月のポーランドでの研究集会「The Polish Japanese Singularity Theory Working Days V」と9月のオーストラリアでの研究集会「Australian Japanese Workshop on Real and Complex Singularities」で発表しました.また,より一般的な幾何学的解の場合,完全解を持つための条件や完全特異解を研究し,この結果を1月の熊本での研究集会「測地線及び関連する諸問題」で発表しました. 2.微分幾何学への特異点論的研究について ミンコフスキー空間内の3つの擬球面(双曲空間,ドシッター空間,光錘)の中の空間的曲面はルジャンドル双対性を通して研究することが出来ます.それぞれの空間的曲面に対してcaustics(焦面)やwave front(波面)が考えられますが,これらを統一的に扱う理論を構築しました.特に,焦面と波面である平行曲面の関係をラグランシュ特異点論とルジャンドル特異点論を応用して与えることができました.また,写像の特異点論を応用して特異点を持つ模様付き多様体の研究も行いました.この研究を8月のニューカレドニアでの研究集会「First South Pacific Conference on Mathematics」にて発表しました.
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