研究課題/領域番号 |
04J09154
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
好井 健太朗 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | フラビウイルス / レプリコン / パッケージング / キメラ |
研究概要 |
フラビウイルスには多くの人畜共通感染症の原因ウイルスが含まれ、その多くは節足動物(ダニ、蚊)によって媒介される。ダニ/蚊媒介性のフラビウイルスは哺乳動物細胞では同様に感染し増殖するが、ダニ/蚊においては各々の媒介動物でしかウイルスは増殖せず、媒介動物特異的な感染・増殖様式の存在が示唆されるが詳細は明らかではない。 ウイルスのゲノムより構造蛋白をコードする領域を欠損させたレプリコンは、細胞内において自己の複製は起こるが、構造蛋白が産生されないため、感染性のある粒子が放出されないため、ウイルスの複製機構の研究において有用な系として扱われている。そこでフラビウイルスの媒介動物特異的な増殖様式を解明するために、レプリコンを用いたダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)および日本脳炎ウイルス(JEV:蚊媒介性)のキメラウイルス様粒子(キメラVLPs)を作成することを試みた。 本研究において、ダニ媒介性フラビウイルスであるTBEVのレプリコンを北海道分離株Oshima株の感染性cDNAクローンを用いて構築し、また蚊媒介性のJEVの構造蛋白を発現するプラスミドをレプリコン導入細胞にトランスフェクトすることにより、JEV由来の粒子構造を持ちTBEVのレプリコンをゲノムとして持つキメラVLPsを分泌させた。キメラVLPsは一度のみの感染性を有しており、相補的に発現させた構造蛋白のmRNAとのrecombinationも起こしておらず、安全性にも優れていることが示された。また、キメラVLPsの節足動物由来培養細胞への感染性を検討することにより、フラビウイルスの媒介節足動物の特異性にはウイルスの侵入・増殖に関わる特異的な因子が関わっていることが示された。 これらの成績はフラビウイルスの自然界における存続様式の解明に重要な知見をもたらし、今後のフラビウイルス感染症の疾病制御への展開が期待される。
|