研究課題/領域番号 |
04J09704
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能物質化学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
向井 知大 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | イオン液体 / 液晶 / イミダゾリウム塩 / イオン性液晶 / イオン伝導度 / プロトン伝導 / 相転移挙動 / 分子集合体 / 異方性 / 両親媒性化合物 / フッ化アルキル鎖 |
研究概要 |
平成17年度では、イオン液体の性質を活かした新しい分子集合体の構築を試みた。さらに、プロトン付加型イミダゾールを構成要素とする分子集合体を構築し、プロトン伝導材料への展開について検討した。 カチオン、アニオン両席に長鎖アルキル基を導入した1-エチル-3-ドデシルイミダゾリウムドデシルスルホン酸塩を設計した。得られた塩は、スメクチックA液晶性を示し、さらに低温域で高次の配向秩序を有するスメクチックB相を形成した。動的イオン伝導度測定やアルカリ金属塩添加後の相転移挙動を評価した。その結果、スメクチックB相においても高イオン伝導度を示した。また、スメクチックA相からB相への相転移温度、エンタルピーともに塩添加の影響がみられなかった。以上の結果から、スメクチックB相はアルキル鎖が結晶化し、イオン部位は溶融した特徴的な分子集合体であることがわかった。このような構造中では非極性基を持たないイオン種が優先的に移動すると考えられるため、添加した塩から解離生成したイオンを選択的に運ぶことのできるマトリックスになると期待できる。 さらに、液晶性イミダゾリウム塩が形成するイオンドメインの機能化として、プロトン伝導性の付与を試みた。非水系プロトン伝導体として注目されているイミダゾールへの液晶性の付与を試みた。イミダゾール環2位に長鎖アルキル基を有するイミダゾールを種々のプロトン酸で中和した一連の化合物のうち、液晶相を発現したものが最も高いイオン伝導度と低い活性化エネルギーを示した。次に、プロトン欠陥として2-長鎖アルキルイミダゾールを添加した。その結果、液晶性は低下したが、液晶、結晶相においてイミダゾール添加前よりも高いイオン伝導度と低い活性化エネルギーを示した。以上のことから、プロトン付加型イミダゾールに液晶性を付与することで高速プロトン伝導を発現させることができる見通しを得た。
|