研究課題/領域番号 |
04J09932
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
眞崎 裕子 (神島 裕子) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ヌスバウム / 契約主義 / 功利主義 / 自然法 / グローバルな正義 / ケイパビリティ / ロールズ / アリストテレス的本質主義 / グローバリゼーション / マーサ・ヌスバウム / アマルティア・セン / ストア派 / 本質主義 / 国境 / 正義 |
研究概要 |
本研究の目的は、国境を越える社会正義論の倫理的根拠として、功利主義あるいは契約主義とは異なる種類の倫理的根拠を模索することであった。 平成18年度の実績として、研究者は、ヌスバウムが契約主義の新解釈をつうじて、契約主義と親和性をもつ自らのケイパビリティ・アプローチが、アリストテレス的善い生の構想にもとづくものでありながら、「善の理論」ではなく「正の理論」であることを証明しようとしていることを、明らかにすることができた。また、そのヌスバウムが、グロティウス流の自然法論に可能性を見いだしていることは、政治理論における倫理理論の役割を問い直すものであることも明らかにすることができた。また、研究者は、5月に来日した倫理学者ピーター・シンガー氏の通訳を務める機会をもち、その機会を通じて、国境を越える社会正義論の根拠としての功利主義の可能性を再評価するに至ったとともに、功利主義を激しく批判するヌスバウムが構築しつつある倫理的根拠が、功利主義的要素を含んでいることを確認するに至った。 本年度の研究発表としては、政治思想学会の学会誌『政治思想研究』で、ケイパビリティ・アプローチの可能性を指摘した「ロールズ「諸国民の法」にみる「政治」の限界」を発表し、慶應義塾大学が発行しているJournal of Political Science and Sociology誌上で、ケイパビリティ・アプローチの問題点を指摘した"Consumerism and QOL in Singapore : a Critical Assessment the Capability Approach"を発表した。また、ヌスバウムの近著Frontiers of Justiceの翻訳に着手した。
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