研究課題/領域番号 |
04J09961
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神長 英輔 東京大学, 大学院情報学環, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 歴史学 / 歴史社会学 / ロシア史 / 日本史 / 北洋漁業 / 漁業 / 日露関係 / 物語論 / 物語 / 水産業 |
研究概要 |
1.今年度の研究の目的 (1)19世紀半ばから20世紀後半に至る北洋漁業の歴史の諸問題のうち、ロシア帝国の行政機関であるプリアムール総督府の政策に関わる論点とシベリア出兵期の諸論点について再検討した。 (2)標記の研究課題の補足的論点として、「日本社会におけるキャラクターとしてのロシア人イメージとその変遷」という課題を設定し、その予備的調査・研究を行った。 2.今年度の研究の成果(内容) 今年度の研究成果として下記の三つの見解が得られた。 (1)シベリア出兵期、ロシア人漁業者の没落は競合する日本人漁業者にとって有利に働いた。ロシア人漁業者の没落の要因は、財産の没収や経営権の接収、それにともなう資金繰りの困難、戦火による直接的な人的ないし物的な被害、ヨーロッパ=ロシアとの経済的な紐帯の断絶による経営不振などさまざまだが、いずれの場合にもロシア人漁業者の没落が競合する日本人漁業者の競合漁区の取得や市場でのシェア拡大を後押しした結果となった。 (2)シベリア出兵期には露領漁業(北洋漁業)が重要な産業として注目され、「露領漁業は重要な国家的権益だ」という文脈が成立した。こうした合意のもと、大手から中小までのそれぞれの漁業者の利害が関係省庁や軍の利害と調整され、国家権力が漁業者の利益を配慮する形で行われた政策がいわゆる「自衛出漁」だった。 (3)日本社会における、キャラクターとしての「ロシア人(ソ連人)」について語る言説の類型には、20世紀初頭から20世紀後半に至るまで大きな変動が見られない。言説相互間の引用・被引用の関係もはっきりしているものが多い。 3.今年度の研究の成果(発表) 今年度の研究成果の一部は上記の「6.研究発表」欄に記載した3つの論文で発表した。なお、「日本におけるロシア・ロシア人イメージの変遷」についての研究成果は2007年度以降に発表予定である。 以上
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