研究課題/領域番号 |
04J10059
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 秀明 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 一般相対論 / 高次元時空 / ブラックホール / 重力波 / ブレーンワールド / 宇宙論 |
研究概要 |
本年度は、初期宇宙モデルとしてのストリング・ガス宇宙モデル、ブラックブレーンがもつ新たな(不)安定性についての研究、5次元の2重に回転するブラックリングおよびその高次元への拡張可能性などについての研究を行った。 ストリング・ガス宇宙モデルにおいては、従来から理論的問題として知られていた初期状態における熱平衡問題についての研究を行った。このストリングガス宇宙モデルは3次元空間を動的に出現させるメカニズムを与えるが、その際、ハゲドロン温度に近い宇宙は熱平衡であると仮定されている。しかしながら、実際のモデルにおいてはこうした条件は実現されておらず、自己矛盾に陥っている。この問題の解決にむけて、私はディラトン場に有効ポテンシャルを導入し、宇宙膨張にどのような影響を与えるか、熱平衡状態が実現されるかどうかなどについての研究を行い、どのような宇宙モデル(有効ポテンシャルの寄与)がストリング・ガス宇宙モデルに対して有利であるかを明らかにした。 ブラックブレーンがもつ新たな安定性についての研究において、私は磁荷を帯びたブラックブレーンの静的な摂動をおこない、非一様なホライズンをもつブラックブレーンの静的な解の系列を構成した。一般に、ブラックブレーンはGubser-Mitra点と呼ばれる臨界電荷までは不安定である事が知られている。しかしながら、構成した解の系列を調べると、磁荷を帯びたブラックブレーンはGubser-Mitra点に達する以前に、非線形な効果によりエントロピー的に安定な状態を持ちうるという予想外の現象が明らかになった。この現象のより深い理解は今後の研究によって明らかにされるだろう。 5次元の2重に回転するブラックリングおよびその高次元への拡張可能性などについての研究については紙幅の都合により割愛する。
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