研究課題/領域番号 |
04J10070
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 智 東京大学, 宇宙線研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | カーヴァトンシナリオ / インフレーション宇宙 / 密度揺らぎ / 暗黒エネルギー / WMAP / DGPモデル / 宇宙背景放射の揺らぎ / カーヴァトンメカニズム / インフレーション |
研究概要 |
近年宇宙論の観測の発展は目覚ましく、WMAPによる宇宙背景放射の揺らぎの観測に代表されるように、より精密化されてきた。よく知られているように、初期宇宙は素粒子物理と密接に関係があり、観測の精密化は宇宙物理学のみならず、素粒子物理にとっても非常に重要である。このことに関連し、宇宙初期の密度揺らぎの研究を行った。宇宙の物質分布はほぼ一様・等方であるが、宇宙背景放射の揺らぎや宇宙の大規模構造などから分かるように、一様等方からのずれがある。この「ずれ」は宇宙初期に何らかの形で生成された初期揺らぎに由来するわけであるが、これまではインフレーションを起こすインフラトン場のインフレーション中の量子揺らぎに起因するというシナリオが標準的なものであった。しかし、素粒子物理における標準理論を超える理論として考えられている、超対称性を含む理論、超弦理論などを考えると、初期宇宙にはインフラトン場と同様に量子揺らぎを持ちうるスカラー場が数多く存在し得る。例えば、モジュライ場などのスカラー場が宇宙初期に存在すれば、これらの場もインフラトン場と同様に量子揺らぎを持ち、さらに現在の宇宙背景放射の揺らぎなどに影響を与えることも考えられる。それどころか、現在の宇宙の密度揺らぎはインフラトン場の揺らぎがなくても、それらのインフラトン以外のスカラー場の量子揺らぎからでも、現在観測されている宇宙背景放射の揺らぎなどを説明できる。このようにインフラトン場ではないスカラー場が宇宙の密度揺らぎを担うシナリオは「カーヴァトンシナリオ」と呼ばれている。我々は、カーヴァトン場がある程度の宇宙の揺らぎを担った場合、それがインフレーションモデルの制限に対して、どのような示唆を与えるかについて詳細に調べた。 また、暗黒エネルギーについても観測からの制限について現象論的に調べた
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