研究課題/領域番号 |
04J10223
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角嶋 邦之 東京大学, 大規模集積システム設計教育研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マイクロマシン / 透過型電子顕微鏡 / 電界電子放出 / ナノワイヤ / アクチュエータ / 格子像 |
研究概要 |
ナノ領域における特有の現象を解明するのツールをマイクロマシンによって製作した。ツールを透過型電子顕微鏡(TEM)の中で駆動することで、ナノ領域の観察をしながら、現象を解明する。電界電子放出現象とトンネル現象の二つの現象について研究を行った。電界電子放出電流の不安定性には各種議論があり、本研究ではTEMによって直視観察を行い解明する。製作したマイクロマシンはSOI基板を加工した対向したSi電極である。結晶方位できまった構造で、曲率半径が数nmの探針を100nm以下の距離で形成できる。ツールを10-7PaのTEM内に導入し両電極に電位差を加えると、まず100V付近で電界電子放出電流を測定したが次第に電流が小さくなる。これはジュール熱による表面吸着分子の脱離の再吸着である。電圧をさらに上げて同様の現象を何度か確認した後、ある時間を境に電流が数倍になり、50%以上の変動があった。陽極の形状が電流変化と対応して時々刻々と変化した。電流により陽極電極が蒸発し、陰極からの電子を阻害し、電流を減少する方向に作用し、陽極の温度を下げて再結晶化するというモデルが考えられる。一方、陰極の形状はまったく変化がなく、電子を放出する際にエネルギーを失い探針が冷やされるというノッティンガム効果が支配的になることによる。電界電子放出の不安定性が、数nmという局所的な形状変化であることが示された。次に、TEM内で二つの電極を接近、接触したときの先端原子の様子を確認した。ツールは静電マイクロアクチュエータを実装した2つの電極で、電極間の距離が制御可能である。両探針は金がコートされ数nm以内に接近すると、金原子が電極間を飛び接合される。電極を引き離すと、金原子が移動し細線が次第に伸びる。原子数個の細線となると破断する。実験によって走査トンネル顕微鏡で金の探針を用いる際の問題を直視観察によって示した。
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