研究課題/領域番号 |
04J10304
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 孝英 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 外生菌根菌 / 実生の定着 / 胞子発芽 / 菌根形成 / 一次遷移 / 東京大学秩父演習林 / Internal transcribed spacer / Terminal RFLP / ミズナラ / イヌシデ / 寄主特異性 / Terminal-RFLP |
研究概要 |
これまで、外生菌根菌にも植物と同様に遷移系列が存在することが明らかにされてきたが、菌根菌種間のどのような性質の差が遷移順序を決定するかは全く不明であった。そこで、本年度は、胞子発芽率、胞子からの菌根形成能に着目し、これらが外生菌根菌の遷移順序に与える影響を検証した。 一次植生遷移過程にある富士山火山荒原では、外生菌根菌各種の遷移系列が既に明らかにされている。そこで、本調査地に優占する12種の子実体から胞子を採取し、様々な条件下で培養した。その結果、多くの外生菌根菌は、宿主植物のみによって発芽が促進され、植物がなかったり、宿主でない植物とともに培養した場合には、発芽率は著しく低かった。また、宿主植物とともに培養した場合でも、一般的に遷移の初期に現れる種で発芽率が高く、後続の種では発芽率は低かった。また、実際に胞子発芽が菌根形成に結びついているかを確認したところ、胞子による菌根形成能は初期遷移種で高く、後期遷移種で低い傾向が見られた。また、初期遷移種は、胞子を土壌中で1年間保存した場合も菌根形成能を保持していたのに対し、後期遷移種の中で例外的に胞子発芽率の高かった種は、一年後に全く菌根形成をしなかった。 以上の結果から、外生菌根菌の遷移系列は胞子の発芽率・菌根形成能によって、かなり説明できると考えられた。また、森林の初期形成、特に裸地への実生の定着には、このような胞子による菌根形成能に優れた種が重要な役割を果たしていると考えられた。
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