研究課題/領域番号 |
04J10427
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 大右 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | シャトーブリアン / 古典主義 / ロマン主義 / ヌーヴェル・クリティック / 美学 / 詩学 / 18世紀フランス / アリストテレス / ミメーシス / カタルシス |
研究概要 |
前年度に引き続き、申請者は研究対象たるシャトーブリアンの著作を始めとする、多岐に渡る関連文献の渉猟・読解作業に努め、17世紀から18世紀にいたる古典主義的感受性から19世紀のロマン主義的感受性への変容の過程における、この作家の独自の位置を見極めようとしてきた。成果の公表については多くを来年度以降に待たねばならないが、本年度中には以下の二点を公表する機会を得た。 (1)「アントワーヌ・コンパニョンの『反近代派』」。標題にある著作の書評として書かれたが、フランス革命以降現代にいたるまでの文学思潮を、シャトーブリアンを重要な参照項のひとつとして解き明かしたものとなっている。というのも、パリ第4大学教授として現代フランスの近代文学史研究の主導的役割を担うコンパニョンの本書は、シャトーブリアンおよびジョゼフ・ド・メーストルによって代表される革命後の反動文学者・思想家が世界と歴史とに向けるまなざしこそが近代的な文学体験の基礎を形作っていることを説き、それによって、ベニシューからフュマロリにいたる近代文学史の刷新、17世紀から19世紀にかけての「文学的なもの」の身分規定の変容を解明する彼らの試みを受け継ぎつつ、いっそうの展開をもたらしているのである。シャトーブリアン再評価に大きく貢献したこれら諸研究の意義の検討を通し、本研究の基本的な視座を確かにすることができた。 (2)「<意識の評価>/<テーマ批評>」(大橋洋一編『現代批評理論のすべて』、2006年3月刊行予定に所収)。本論考では、記念碑的なシャトーブリアン論の著者リシャールを始めとするいわゆるヌーヴェル・クリティックの批評家たちの営みの展開を跡付け、その歴史的意義を提示した。
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