研究課題/領域番号 |
04J10716
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 英之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 銀河系バルジ / ROSAT All-Sky Survey / 低質量X線連星系 / 光度関数 / 楕円銀河 / 「すざく」衛星 / X線望遠鏡 / 応答関数 / Log N-Log S関係 / The Mouse (G359.23-0.82) / Astro-E2衛星 |
研究概要 |
昨年に引続き、銀河系バルジにあるX線源の光度分布、空間分布に関する研究を進め、X線源の観点から楕円銀河と銀河系バルジの同質性を初めて明らかにした。まず、既知のバルジ天体を用いて、銀河系ディスクによるX線吸収量を調べ、その銀緯依存性をモデル化した。次にROSAT All-Sky Surveyで検出された、比較的明るいX線源の色から、吸収量とスペクトルのベキを推定した。その上で吸収量の小さなX線源は、手前に位置するものとして取り除いた。この手法により、3σ以上の有意性で、銀河系中心周りのX線源の集中を発見した。これらのX線天体までの距離を、銀河系バルジの大きさ(約1.7kpc)に基づいて推定することで、10^<34>-10^<38>erg/sに渡る銀河系バルジの光度関数を導くことに初めて成功した。バルジのX線源の殆どは、その光度から低質量X線連星系(LMXBs)と考えられる。そこでバルジ天体の光度関数を、Chandra/XMM衛星で検出された、M31のバルジや楕円銀河に付随するLMXBsのそれと比較した。LMXBsの数を、バルジまたは楕円銀河の大きさに対応するBバンドでの光度で規格化すると、10^<34>-10^<40>erg/sという極めて広い光度範囲に渡って、互いの光度関数が一致することを明らかにした。一方で、バルジ天体の銀河系中心周りの集中を表すスケール角度は4.1度であった。質量の軽い、星のスケール角度と比較すると、X線天体の方が2.4倍拡がっており、この性質も銀河系バルジに限らず、楕円銀河でも同様に見られることを突き止めた。以上の結果について、2005年9月にスペインで開かれた国際会議でポスター発表を行い、現在は投稿論文の準備を進めている。 また本研究の今後の展開に必要となる、「すざく」衛星に搭載されたX線望遠鏡の応答関数構築に向けて、シミュレータの開発とその調整も平行して進めている。
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