研究課題/領域番号 |
04J11251
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻村 亮彦 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 梅謙次郎 / 民法学 / フランス法 / 和解 / 近代法 / フランス法学 / ローマ法 / ドイツ法学 / 『和解論』 / フランス注釈学派 / 民事訴訟 |
研究概要 |
本年度は最終年度ということで、研究課題の原点に立ち返り、民法典起草者の一人である梅謙次郎の法的思考を検討する作業に集中的に取り組んだ。フランスでの修業時代に形成された思考が日本帰国後にどのように展開していったかを、著作、立法過程における議事録を素材として検討した。 具体的にはまず、フランスでの修業時代おける自己形成の解明作業として、フランス留学中に梅が執筆した学位論文"De la transaction"(『和解論』)を精読し、フランス法に内在する法的思考様式に対し梅がどのように立ち向かい、それを通じてどのように自己の立脚点を確立していったかを検討した。続いて、帰朝後の梅の活動を記録した文書を広く取り上げ、フランスで形成された思考様式が日本でどのような展開、変容を見せたかを検討した。ここでは梅自身が日本の当時の法的な現実をどのように認識し、そこにフランス仕込みの法学でどのように切り込み、日本のあるべき法の姿をどのように構想していたかという視角を重視した。これらの研究の成果については、特別研究員の任期内には学会報告1件のみで論文の形でまとめるには至らなかったが、できるだけ早い時期に論文を公刊できるよう努力したい。 他方で、私法学の前提となる、近代日木の現実の私法秩序の形成過程を実証的に明らかにしようとする趣旨で、民事判決原本の分析作業もあわせて行った。本年度は、学部、大学院の演習を通じて、新潟裁判所創設期である明治8年から10年にかけての文書群の中に膨大な量の一件書類が残されていることを確認し、その整理に着手した。これらの作業には、前記課題にめどを付けた後に本格的に取り組みたい。
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