研究課題/領域番号 |
04J11429
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
土木材料・力学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗田 玲 東京大学, 大学院工学系専攻, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 液体・液体転移 / 秩序変数 / 相転移ダイナミクス / 核形成・成長 / スピノーダル分解 / 臨界現象 / 局所安定構造 / 分子性液体 / 液体・液体相転移 / 2秩序変数モデル / スピノ-ダル分解 |
研究概要 |
単一原子または分子種からなる物質に2つの液体状態が存在し、その間で一次相転移が起きるという液体・液体相転移は、液体はユニークであるという直感に反するため、注目を集めていた。近年、我々はTriphenyl Phosphiteという有機液体において、初めて常温・常圧下で液体・液体転移を発見した。このことにより、多種多様な実験が可能となり、その性質や起源を調べてきた。その結果、液体・液体相転移の臨界現象を発見することが出来た。これは密度以外の秩序変数があることを意味している。そこで、X線散乱実験を行い、液体・液体転移中におけるミクロな構造の変化を調べた。この実験から、液体・液体転移を支配している秩序変数が局所安定構造の数密度であることが確認された。また、密度を保存系、局所安定構造の数密度を非保存系パラメータとして考え、2つの秩序変数がカップルした動的方程式を考えた。この式を数値シミュレーションによって、液体・液体転移のキネティクスを調べた。その結果、実験で得られたキネティクスを再現することがわかった。このことから、液体・液体転移のキネティクスは2つの秩序変数のカップリングによって決まっていることが示唆された。 さらに、液体・液体転移に幾何学的な外場を印加した。強く閉じ込めることによってスピノーダル温度が低下することがわかった。これは揺らぎが閉じ込められることによって抑えられた結果である。この結果から、強く閉じ込められた液体はバルクの液体とは違う性質を示す可能性があることが示唆された。
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