研究課題/領域番号 |
04J11517
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
マイクロ・ナノデバイス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青田 新 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マイクロチップ / 溶媒抽出 / 界面化学 / マイクロ流体工学 / 混相流 / 分析化学 / 応用化学 / 液液界面 |
研究概要 |
本研究では、通常の実験サイズでは実現できない安定連続流マイクロ平行油水向流を実現し、それを利用した高回収率マイクロ向流抽出を実現した。また、マイクロ油水向流中では、液液界面近傍でカオス的渦流等の特異流れを観測した。そこでマイクロ油水向流中液液界面では、速度の不一致や勇断応力の不連続などが生じ、通常の境界条件と異なると着想した。そこで、マイクロ油水向流中液液界面の流動メカニズムの解明とマイクロ油水向流の新規応用を目的とした。 マイクロ油水向流の流動メカニズムの解明のため、マイクロ油水向流形成を支配する力学的な力を検討した。マイクロ油水向流中の液液界面には、粘性流由来の二相の圧力差と界面張力由来のラプラス圧が生じる。この二つの圧力が釣り合うときマイクロ油水向流が形成可能であるというモデルを考案し、検証したところ、実験結果とモデルは良い一致を得た。この結果から、マイクロ油水向流中の支配的力は二相の圧力差とラプラス圧であることを見出した。 マイクロ向流中の特異流れは液液界面形状と深く関係していると着想し、液液界面形状を測定した。前述のとおり、マイクロ向流中の支配因子が液液界面における圧力であることに着目し、測定した液液界面形状から圧力を検討した。測定した結果、マイクロ向流は低レイノルズ数(<1)であるにも関わらず、層流を仮定した液液界面形状と異なる形状になる条件があることを見出した。液液界面形状から圧力分布を考察すると、液液界面ですべりが生じる可能性があることがわかった。液液界面のすべりを示唆する実験結果は本研究が初めてである。さらに、考察した圧力分布から、マイクロ向流中ではらせん流れを形成することを見出した。これは以前に流線可視化実験で得た結果と一致しており、マイクロ向流中の特異流れという物理現象が液液界面形状と関係していることを見出した。
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