研究課題/領域番号 |
04J11750
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
菅原 彩絵 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 有機-無機ハイブリッド材料 / ナノゲル / リン酸カルシウム / ナノ粒子 / ドラッグデリバリーシステム / ヒドロキシアパタイト / アモルファスリン酸カルシウム / 疎水化多糖 |
研究概要 |
疎水化多糖が水中で自己組織的に形成する粒径30mm程度のナノ微粒子"ナノゲル"は疎水性薬物やタンパク質、核酸のキャリアーとして機能することが秋吉らにより報告されている。一方、リン酸カルシウムは哺乳類の硬組織を構成する主要な無機成分であり、生体適合性マテリアルとして注目されている。本研究では、ナノゲルとリン酸カルシウムとを複合化させることにより、新規有機-無機ハイブリッドナノ粒子を作製することを目的とした。ハイブリッド化により、ナノゲル内の薬物の放出制御や骨欠損部位への選択的な薬物デリバリーなど、ドラッグデリバリーシステムにおける応用が期待される。 ナノゲルを形成させる疎水化多糖として、プルランにコレステリル基を導入したコレステロール置換プルラン(CHP)を用いた。弱酸性のヒドロキシアパタイト水溶液にCHPナノゲルを分散させたのち、溶液のpHを上昇させることによりリン酸カルシウムを形成させた。CHPナノゲルの存在下で、粒径30mm程度の分散したアモルファスリン酸カルシウムのナノ粒子が得られた。これらはナノゲルのサイズと同程度であることから、CHPナノゲルが無機粒子形成の核として機能したと考えられる。これらの粒子は室温で数ヶ月間安定に分散状態を保った。CHPナノゲルをテンプレートとする本手法により、コロイド安定性にすぐれたリン酸カルシウムハイブリッドナノ粒子を温和な合成条件で得ることに成功した。 さらに本研究では、ナノゲルに導入する官能基によってリン酸カルシウム粒子のカルシウム/リンの比や粒子の表面電位がコントロール可能であることを見出した。薬物インスリンを内包したハイブリッドナノ粒子は、薬物除放性を示すことを確認した。さらに、ナノゲル被覆リポソームのような高次構造体をテンプレートとしたリン酸カルシウムのミネラリゼーションにも成功した。
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