研究課題/領域番号 |
04J11965
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮崎 久生 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ジョセフソン接合 / 原子ポイントコンタクト / ラチェット効果 / 超伝導原子ポイントコンタクト / 電流-位相関係 / メカニカルブレークジャンクション法 |
研究概要 |
前年度に引き続き、超伝導ポイントコンタクトの研究を行った。我々は、超伝導原子ポイントコンタクト(SAPC)が非sin型の電流-位相関係を持つことを既に実験的に確認している。その性質を利用すると、SAPCと超伝導トンネル接合を組み合わせたdc-SQUIDをラチェット効果のモデル系とすることができる。ラチェット効果とは、非対称な周期ポテンシャル中を運動する物体に振動外力を加えたときに一定方向への運動が生じる一種の整流作用である。SQUIDの振る舞いを通常の物体の運動に置き換えると、超伝導位相が物体の位置に、バイアス電流が外力に、発生した電圧が位相の時間微分に相当する。上記のdc-SQUIDに適当な微小磁場をかけると、位相の運動に対するポテンシャルが非対称になる。このような状況で、このSQUIDに交流電流を流し、発生した電圧を測定すると、直流電圧が発生した。このこととSQUID系と通常の物体の運動の対応関係とを考えると、このSQUIDにおいてラチェット効果が生じていることがわかる。通常、ラチェット効果では、傾きが緩い側からポテンシャルの山を登り急な側を下る向きに運動方向が整流される。ところが、我々のSQUIDラチェットにおいては或る周波数域において整流の向き(直流電圧の極性)が反転した。この整流の向きの反転の原因は、現在検討中である。また、この反転は、0.05K程の低温で見られたが、温度を0.1K程に上げると見られなくなった。 また、新たなジョセフソン接合を作るための材料としてグラフェンシートの研究を開始した。グラフェンシートを介したジョセフソン接合は、ゲート電圧やスピン注入によって制御できる新しいタイプのジョセフソン接合として期待できる。
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