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新しいケイ素/炭素混在型π電子系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 04J11997
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 有機化学
研究機関筑波大学

研究代表者

田中 高志  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードシラシクロプロペン / 基底三重項 / シリレン / アルカリ金属 / 光反応
研究概要

極めて嵩高いtBu_3Si基を2つケイ素上に有するシラシクロプロペンにTHF中,金属リチウムあるいは金属カリウムを一晩反応させることにより,置換基が1つアルカリ金属に置き換わった新規なシラシクロプロペンの合成に成功した.反応は定量的に進行し,捕捉反応および各種NMRによって同定を行った.このアルカリ金属置換シラシクロプロペンの2-メチルTHF溶液を10Kまで冷却し,低圧水銀灯を用いた波長が254nmの光を照射してEPR(X-band)を測定すると,極めて高磁場の790,778mTにシグナルがそれぞれ観測された.この特徴的なシグナルは,アルカリ金属置換シリレンの三重項無配向パターンのx,yのシグナルのものと帰属した.また,リチウム置換シリレンについては50Kまでの温度可変EPR測定を行い,シグナル強度と温度の関係がキュリー則に従うという結果を得た.このことは,一重項と三重項の間のエネルギー差が十分大きいため,測定温度範囲においてボルツマン分布に従う各多重度の分配が事実上ないことを示しており,リチウム置換シリレンの基底多重度は三重項であると決定した.さらに,溶媒の効果を含めたDFT計算の結果から,置換基の電気陰性度と並んでシリレンの基底状態を左右する重要なファクターである結合角には影響を受けず,常に基底三重項であることも明らかにした.これまでの研究で合成・直接観測に成功した初めての基底三重項シリレン,(tBu_3Si)_2Si:は置換基の立体的な効果を利用したものであるのに対して,このリチウム置換シリレンは電気的に陽性な置換基の効果が大きく寄与して達成されたものである.長年,理論計算の分野で予想されてきた基底三重項シリレンが,異なる2つの戦略によって実際に合成されたことから,今後,実験化学における三重項シリレンの発展が期待される.

報告書

(1件)
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Photochemical Generation of Halo(silyl)silylene : Spectroscopic Observation and Reactivity2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi Tanaka
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 33・11

      ページ: 1420-1421

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2024-03-26  

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