研究課題/領域番号 |
04J12079
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大島 隆治 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 分子線エピタキシー / 原子状水素 / GaAs / InAs / 量子ドット / 多重積層化 / 自己組織化 / III-V-N化合物半導体 / III-V-N族化合物半導体 / 半導体 / ナノ構造 / 分子線エピタキシー法 / GaNAs |
研究概要 |
本研究では、原子状水素援用RF分子線エピタキシー(MBE)法を用いて、光通信用発光素子、および量子ドット型太陽電池への応用を目指し、長波長帯で発光する高品質なGaAs基板上自己組織化量子ドットの作製技術の開発、およびデバイス応用への研究を行った。現在、一般的な構造、材料を用いた量子ドットの成長では、量子ドット部で発生する格子歪みに起因して発光波長が短波長側にシフトする。さらには、活性層体積の増加を目的とした多重積層成長において、格子歪みの蓄積により量子ドットのサイズ均一性が損なわれること、転移が発生する問題が残されている。 量子ドットの多重積層構造へのアプローチとして、歪み補償の概念を利用した多重積層化を検討した。これは、中間層部で量子ドットとは逆向きの歪みを発生させ、1周期毎に歪みを一旦フリーな状態に戻しながら積層成長を行うことを原理としている。InAsの格子定数はGaAsに比べて約7%大きい。このため、本研究で用いたGaAs基板に比べて格子定数が小さい材料として、GaNAsを用いることを提案した。GaNAsはNの組成の制御によってGaAsよりも小さい任意の格子定数に設定でき、またGaAsよりもバンドギャップが小さく、量子ドットのポテンシャル障壁が低くなることに起因した長波長化も期待できる。 本研究ではGaAs(001)基板上InAs量子ドットの多重積層化について、GaNAs歪み補償中間層の有効性を原子間力顕微鏡(AFM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、高分解X線回折法(XRD)を用いて評価した。最適なGaNAs中間層を用いることで、50層以上の量子ドットの多重積層化、および発光波長の長波長化に成功した。また、pin型太陽電池の層に多重積層量子ドットを導入した量子ドット型太陽電池を試作し、世界的にも研究例が少ない量子ドットの寄与による光吸収を得ることに成功した。
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