研究課題
特別研究員奨励費
マウスアルブミンエンハンサー、プロモータにルシフェラーゼ遺伝子をつないだコンストラクトを用い、LEWラット胚にマイクロインジェクションを行い、Alb-Luciferase transgenic ratの作製を試みた。マイクロインジェクションによる導入遺伝子の染色体へのインテグレーションはバイチャンスであるので、本トランスジェニックラットの作成に関しては、ライン確保が研究の律速段階となる。260個の注入胚のうち240個を移植胚として用い、29匹の産子が得られたが、すべてtransgene(-)であり、目的とするトランスジェニックラットを得ることができなかった。そこで、次に、自治医科大学分子病態治療研究センターにおいてすでに作製されたgreen fluorescent protein (GFP)トランスジェニックラットを用い、好中球可視化システムの開発を試みた。本トランスジェニックラットは好中球にマーカー遺伝子として強いGFPの輝度を持つ一方、肝臓においてはGFPの発現が低いという特徴をもつ。そこで、そのコントラストを利用し、高感度CCDカメラを用いて肝臓表面におけるin vivoでのリアルタイムの微小循環の観察を行った。従来の観察方法は色素を用いて血球系をラベルすることが多かったが、本方法の開発により、より簡便かつ人為的操作の少ない状態での評価が可能となり、さらに、臓器障害モデルにおける薬効評価などにも汎用性が広いと考えている。なお、先に述べたトランスジェニックの作成に関しては、別にユビキタスなプロモータであるRosaプロモータにルシフェラーゼ遺伝子をつないだコンストラクトを用いたRosa-luciferase transgenic ratの作製も行った。252個の注入胚のうち227個を移植胚として用い、103匹の産子が得られた。このうち4匹がtransgene(+)であり、全身性にルシフェラーゼ遺伝子の良好な発現が得られていることから、今後は本Tgラットの解析等も行っていきたいと考えている。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
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