研究概要 |
微細構造を操作した高品質・高機構物質,さらに分子構造や配列,構造変化を利用した環境応答性デバイスを開発するためには,局所的かつ動的な熱制御,あるいは物性制御技術の開発が期待される.本研究は,マイクロ領域の熱特性を高速かつ非接触でリアルタイムセンシングを行う計測技術の確立を目標としている.以下に本年度の研究成果を示す. 1.落射式光学系を新たに設計・開発し,測定試料の操作性を飛躍的に向上させ,さらに異方性測定が可能な計測システムを構築した. 2.光硬化性樹脂の重合反応過程のリアルタイムセンシングを行い,紫外線照射による硬化過程で連続的に変化する温度伝導率を測定した.重合反応のような激しい発熱反応系においても本技術が適用可能であることを実験的に示した. 3.ネマティック液晶分子(5CB)のラビング及び電場による分子配向秩序下における熱伝導異方性計測を行った.さらに動的に電場を制御した系においてリアルタイムセンシングを適用し,電圧入力に応答したサブ秒領域での熱伝導異方性のスイッチングの定量化を行った.
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