研究課題/領域番号 |
04J54111
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田中 健太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 磁気リコネクション / 地球磁気圏尾部 / 臨界条件 / プラズマ物理 / イオンスケール電流層 / ガイド磁場 / 計算機シミュレーション / 粒子計算 |
研究概要 |
3次元大規模粒子計算により、宇宙プラズマ中で生じる爆発的磁気リコネクションの臨界条件を検証しました。磁気リコネクションは、本来無衝突である宇宙プラズマにおいて、電磁場エネルギーをプラズマのエネルギーに変換する重要な現象です。 今年度の研究では、イオンスケールの分厚い電流層中で引き起こされる磁気リコネクションのトリガー問題を解明すべく、大規模大型計算機の持つ性能をフルに活用し主記憶容量100GB、実時間にして1ヶ月の計算を10計算以上行いました。 その結果、(1)反平行の磁場配位の場合、3次元磁気リコネクションは大きなイオン-電子質量比でイオンスケールの分厚い電流層であっても素早くトリガーされることが明らかになりました。この素早さはLower-hybrid drift instability(LHDI)の手助けにより達成されます。このようなトリガーのことを、Quick Magnetic Reconnection Triggering(QMRT)と命名しました。私はQMRTに対する初期電流層厚さ・ガイド磁場強度を様々変化させたシミュレーションを行いました。その結果、QMRTが期待できなくなる臨界厚さを見出しました。ガイド磁場がないとき、QMRTは非常に分厚い電流層まで達成されました。一方、ガイド磁場が存在するとき、臨界厚さが存在することが発見されました。そのときの電流層厚さは非常に小さなものでした。 さらに、LHDIに関するガイド磁場・初期電流層厚さ依存性が2次元粒子シミュレーションを行いました。LHDIに関するガイド磁場の主要な効果は以下の2点です。(1)LHDIによる電流減少が常に電流層の縁で局所的に発生します。(2)一方、電流層の中心では強いガイド磁場の下ではもはや期待できません。続いて、強いガイド磁場の下でLHDIに関する初期電流層厚さ依存性を調査しました。その結果、電流層中心に於ける顕著な電流増加は電流層が非常に薄いときに限って生じる事が示されました。2次元LHDI計算と3次元QMRT計算の比較によって、2次元の結果が3次元の結果と非常に良い対応を示すことが分かりました。 これらの新事実の一部は、既に論文発表されています。
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