研究課題/領域番号 |
05041015
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
こも口 善美 駒澤大学, 文学部, 教授 (40052493)
交口 善美 (1994) 駒澤大学, 文学部, 教授
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研究分担者 |
VOON Phin Ke マラヤ大学, 地理学科, 教授
永田 淳嗣 東京大学, 教養学部, 助手 (30218002)
吉村 真子 法政大学, 社会学部, 助教授 (80247113)
宮崎 恒二 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (40174156)
藤本 彰三 東京農業大学, 総合研究所, 助教授 (80147488)
加藤 剛 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60127066)
水島 司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (70126283)
立本 成文 (前田 成文) 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (50027588)
LEE Ramond L マラヤ大学, 文化人類学・社会学科, 助教授
中澤 政樹 慶応義塾大学, マレー・インドネシア語, 非常勤講師
佐藤 哲夫 駒澤大学, 文学部, 助教授 (00170762)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1994年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1993年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | マレーシア / 多民族国家 / 文化生態 / 文化景観 / 土地利用 / 農業開発 / 移民 / 生業構造 / 土地資源利用 / 環境対応 / 移民・労働力移動 / マラッカ海峡 |
研究概要 |
1.本年度は、調査の最終年度であるため、各参加者は、調査結果の出版のためのデータの最終的収集とその分析を精力的に行った。そして、その成果の一部を、年度内に出版することが出来た。 2.本研究は、多民族国家の典型的なものであるマレーシアにおいて、各民族集団が特定の地域社会において形成してきた環境対応の様式を、国民文化形成のエコロジカルな局面として総合的に解明し、文化生態・文化景観の複合的モデルを作り上げることを目的としていた。こうした目的に沿って、各参加者は、以下のような調査とその成果の発表を行った。 3. (1)全体の研究計画を統括するこも口は、ジョホール州のマレー人を主体とするフェルダと呼ばれる集団入植地において、入植者世帯の生業構造・土地利用・移民・教育などに関する詳細なデータと、そうしたマレー人の経済権益に常に関わってこようとする華人の動向に関するデータを収集・分析した。そして、その調査結果と分析を、フェルダの組織、開発の歴史的展開、個々の入植農家経営、土地利用、労働力、就業構造などの局面から論文の形にまとめ、他の参加者が寄稿し自身が編集した英文の報告書に掲載した。 (2)永田は、同じくジョホール州に位置するジャワ系移民と華人系移民の混住地域を選定し、そこにおける農業開発と村落の変容についての文献および聞き取りによる調査を進めた。そして、その収集したデータを基礎にして、土地台帳をはじめとする土地所有関係の公的資料と実際の経営内容とのずれについて、具体的な取引・相続についての事例を示しながら論文にまとめた。 (3)加藤は、ヌグリスンビラン州へのミナンカバウ系移民社会についてのデータ収集を進めた。そして、稲作経営の放棄という事態の歴史的背景について論文を発表した。 (4)吉村は、日系企業の進出に伴う地域社会の構造変化に関わる問題について、セランゴール州でデータを収集した。そしてそのデータをもとにして、進出企業の労働力構造の変化と近隣村落の当該企業に対する認識の変化について、論文にまとめた。 (5)水島は、ペラ州の一村の今世紀初頭からの土地取引に関する資料の収集と移民・生業構造等に関する聞き取り調査を行った。それをもとに、ペラでの土地政策の歴史的変化とその特徴、年次別の土地取引の特徴とそこにおけるマレー人・非マレー人との間の土地取引の盛衰、その意味などについて論文をまとめた。 (6)藤本は、ペナン州とクランタン州での稲作農家の文化変容の問題を調査した。それをもとにして、クランタンでの一農村をとりあげ、そこでの生業構造の変化、地域社会で起きている近年の変化について、具体的な事例を挙げて論文にまとめた。 (7)宮崎は、マレーシアのペナンとインドネシアのヨグヤカルタとの比較調査を実施し、住民の宗教観・世界観における他者認識についてのデータを収集した。 (8)立本は、マラッカ海峡をはさんで分布するプギス社会の比較研究のため、インドネシアの海域世界で文化生態学的調査を行った後、マレー半島部沿岸地域でデータを収集した。 (9)ブーンは、土地資源の利用についての問題をマラッカを中心に事例研究した。そして、その事例をふまえて、独立前後の農業開発における小農の役割と性格について、マレーシア全土を対象とした論文をまとめた。 4.以上のように、本年度は、2年間の学術調査の最終年としてデータの収集とその分析結果の発表を積極的に進め、その一部を出版の形にまでもっていくことが出来た。なお、参加者の一部は調査結果を年度内に発表する形にはならなかったが、早急にその成果を公表する準備を進めており、また既に論文を発表した者についても続編の準備を進めている。
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