研究分担者 |
小林 順子 清泉女子大学, 文学部, 教授 (20089288)
大塚 豊 広島大学, 大学教育研究センター, 教授 (00116550)
松永 裕二 西南学院大学, 文学部, 教授 (30128095)
潮木 守一 名古屋大学, 大学院・国際開発研究所, 教授 (80022391)
牟田 博光 東京工業大学工学部, 教授 (70090925)
山村 滋 大学入試センター, 研究開発部, 助手 (30212294)
平 直樹 大学入試センター, 研究開発部, 助手 (60236172)
藤芳 衛 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (20190085)
山田 文康 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (40158217)
鈴木 規夫 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (70154565)
池田 輝政 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (90117060)
石塚 智一 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (00168238)
小野 博 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10051848)
柳井 晴夫 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (60010055)
清水 留三郎 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (00012344)
水野 欽司 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (40022397)
岩坪 秀一 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (20141997)
|
研究概要 |
平成5年度の調査国は,スペイン,ポルトガル,フランス,ベルギー,スイス,ドイツ,イタリア,ギリシャ,トルコ,フィンランド,デンマーク,スウェーデン,オランダの13ケ国であった。これらの国での大学入学の制度は,個々の大学に独自の判断で入学者を選抜させるセレクティブ・アドミッションではなくて,中等普通教育終了者であればいづれかの大学か学問分野に入学をさせるというオープン・アドミッションの原則を特徴とする国がほとんどであった。なかでも,ベルギー,スイス,フランス,デンマーク,オランダ,イタリア,スウェーデンではそうしたオープン・アドミッションの原則にこだわった制度運用がみられたし,ドイツ,フィンランド,ポルトガル,スペインでは入学制度(ヌメルス.クラウサス)や個別大学・学部による選抜機能の強化などによって押し寄せる志願者をコントロールする動きが顕著であった。 大学入学の時点で必要とされる能力を評価する試験は,いずれの国でも中等学校の普通教育で修得される一般的能力や専門的能力をみる学力試験が中心であったが,スペイン,スウェーデン,トルコの国々では米国の進学適性検査に類する一般適性検査,そしてドイツでは医学専門適性検査が利用されていた。 平成6年度の調査国は,ブラジル,アルゼンチン,ベネズエラ,メキシコ,アメリカ,カナダ,ロシア,ブルガリア,韓国の9ケ国であった。わが国の大学入試センター試験のように,各大学が自由に利用する共通テストが入学者の選抜に使われている国は,メキシコ,ベネズエラ,ロシア,アメリカ,韓国の5カ国である。メキシコでは,全国高等教育評価センター(CENEVAL,セネバル)が教科別の学力テストと進学適性テストの2種類のテストを1994年から実施し始めた。ベネズエラでは国立大学協議会の大学計画局が進学適性テストを年から実施している。ロシアでは,数学の学力テストが1984年から開始され,94年現在では10科目のテストが実施されている。米国では,カレッジボードの進学適性テストが1994年から進学評価テストに変わり,教科別の学力テストを統合したテストとして実施されている。韓国は,国立教育評価院の進学適性テスト(大学修学能力テスト)が1994年から開始され,95年にはそれまでの年2回から1回に変更された。 ブラジル,アルゼンチン,カナダ,ブルガリアについては,ブラジルとブルガリアは個別大学による入学試験が基本である。カナダは個別大学による選抜はあるが,大学入学前の進学準備学習の一定要件を入学許可の基本的な基準としなければならない。アルゼンチンは個別大学による選抜は許されてなく,中等学校の卒業により入学資格を取得した者に入学登録の権利を与える制度を採用している。 平成7年度の調査国はスリランカ,インド,ベトナム,ミャンマー,台湾,シンガポール,オーストラリア,ニュージーランド,フィージ-,バヌアツの11カ国であった。統一テストあるいは共通テストが実施されているのは中国,台湾,インド,ミャンマー,シンガポール,ニュージーランド,フィージ-,バヌアツである。中国においては,わが国と同じように中国考試中心が統一試験を行っている。なお上海では独自に統一入試を実施している。また,台湾では共通大学入学試験(JCEE)が実施されている。インドでは基本的に後期中等教育終了試験に基づいて選抜が実施される。ミャンマーでは後期中等教育卒業試験と大学入学試験の兼ねる「セーダン試験」によって大学入学基資格が与えられる。シンガポールとスリランカではGCE試験の成績により選抜が行われるがこれは歴史的なイギリスの影響によるものであろう。ニュージーランドでは,大学入学資格試験によって入学資格が授与される。フィージ-,バヌアツでは,中等学校卒業資格試験(FSLC)と大学準備級試験(FSFE)という全国一斉の学力試験の成績が選抜資料となる。ベトナムでは個別大学の試験による選抜方法がとられている。オーストラリアでは州によって異なるが,クイーンズランド州では,中等学校の成績が選抜資料となる。
|