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西アマゾンのシャーマニズムと自然観

研究課題

研究課題/領域番号 05041024
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

中牧 弘允  国立民族学博物館, 第1研究部, 教授 (90113430)

研究分担者 SANTOS Anton  エミリオ, ゲルジ博物館・人文学部・人類学科, 研究員
MONTEIRO Clo  アクレ大学, 人文学部, 教授
COUTO Fernan  ブラジリア, カトリック大学, 講師
ARRUDA Luiz  アマゾナス大学, 生物学研究所, 教授
古谷 嘉章  九州大学, 比較社会文化研究科, 助教授 (50183934)
原 毅彦  信州大学, 教養部, 助教授 (20218621)
武井 秀夫  千葉大学, 文学部, 助教授 (50226982)
木村 秀雄  東京大学, 教養学部, 助教授 (10153206)
SANTOS A.M.de Souza  Researcher, Emilio Goeldi Museum
COUTO F.de la Roque  Lecturer, Univ.Catolica de Brasilia
ARRUDA Luiz・  アマゾナス大学, 生物学研究所, 教授
研究期間 (年度) 1993 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1995年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1994年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1993年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
キーワードクリナ族 / カシナワ族 / サテレマウエ族 / 東トゥカノ族 / カンパ族 / シャーマニズム / 民族薬学 / 民族医療
研究概要

アマゾン河流域の開発は、ブラジル西部以西の西アマゾンにおいて、急速に進展しつつあり、本研究は環境問題と社会問題の鍵をにぎる人物として、シャーマン、呪医、民間祈祷師、宣教師などに焦点をあて、実証的な調査をおこなってきた。研究対象とした民族のいくつかは僻遠の地に居住し、そこへの到達は困難を究めたが、短期間ながらも調査ができ、実証的なデータを集めることができた。
1.先住民(インディオ)社会
(1)サテレマウエ族 日本側とブラジル側とで最初に共同調査をおこない、国立インディオ基金(FUNAI)やカトリック宣教団体の医療活動の概要を把握し、さらにアフ-ダが保護区内で薬草と保健衛生について調べ、中牧も近接する都市部においてシャーマニズムならびに先住民運動に関する聞き取り調査を実施した。
(2)クリナ族(マディハ族) 中牧はジュルア保護区のクリナ族(マディハ族)のすべての集落(6カ村)を訪問し、家族・親族、村と家屋の空間的配置、国立インディオ基金(FUNAI)とブラジル・カトリック宣教協議会(CIMI)の活動などについて調査をおこなった。シャーマニズムに関しては治病儀礼、トゥクリメ儀礼、ひとりのシャーマンの事故死をめぐる言説と関係者の対応などについて、データを収集した。自然観については、子供や青年たちに絵を自由に描かせ、かれらの認識や関心のありようをさぐった。また、うわさ話やデマがもとで女たちの間に集団的喧嘩が発生したが、その推移と背景についても調査した。
(3)パノ語系インディオ 木村はボリビア、ペル-と国境を接する地域に住むカシナワ族を中心にシャーマニスティックな儀礼の観察をおこない、儀礼歌を収録した。また、非パノ語系クリナ族や「白人」などとの婚姻をとおして進行する複雑な民族融合の実態についても基礎データを収集した。
(4)東トゥカノ系インディオ 武井はサンガブリエル・ダ・カショエイラにおいて東トゥカノ系インディオの神話と民間治療師たちの呪文の収録をおこない、ポルトガル語への翻訳の作業をすすめた。その呪文のなかでは、熱の原因としてプラスチック製ないしビニール製の袋に魂がとじこめられることが言及され、近代的な要素も取り込まれていることが判明した。また、呪文自体も昔とくらべ短くなっているいことがわかったが、今では文字を通して暗唱できることがそうした変化の一要因となっていた。
(5)カトゥキ-ナ族 古谷はジュタイ川の支流のビア川流域に住むトゥキ-ナ族の集落を調査した。ここではOPAN(カトリック系インディオ支援団体)が教育・医療活動に従事している。カトゥキ-ナ族にはシャーマニズムそれ自体はほとんど見られないが、クリナ族に呪いの除去を依存していることなどが判明した。また、OPANの活動を通じて、FUNAIとは異なる接触・支援のしかたについても、情報が入手できた。
(6)マティス族、カナマリ族、マヨルナ族、クルボ族 アフ-ダはジャヴァリ川流域の諸民族について民族薬学的調査を実施し、マティス族においてはシャーマンがほとんど死亡したという情報を得た。
(7)カンパ族 コウトはペル-国境のカンパ族の幻覚性飲料の使用実態、ならびにシャーマンとの聞き取り調査をおこなった。
2.非先住民社会(先住民およびその子孫を一部含む)
(1)アマゾン河本流域 原はタバチンガ、レティシアにおいて複雑な民族構成とをる社会の民間呪術師を調査対象とし、ジャガ-やアナコンダ(大蛇)のような先住民的表象と、イルカのようにカボクロ(混血住民)のこのむ表象との混合形態をあきらかにした。さらに上流のイキトスにおいても予備的調査をおこなった。
(2)ネグロ川流域 サントスはネグロ川流域の住民が利用する薬用植物、とくにサラクラミラについての研究をすすめた。
(3)ジュルア川上流域、プルス川上流域 モンテイロはクルゼイロ・ド・スルを中心に幻覚性飲料の摂取をともなうシャーマニスティックな民間習俗について調査し、コウトも幻覚性飲料(サントダイミ)をつかう宗教共同体において、その生活文化ならびに環境保護運動について調査を実施した。日本側研究者も幻覚性飲料を儀礼的に使用するいくつかの集団を訪問し、最新の動向についての情報を入手した。
以上の調査をふまえ、サントスを日本に招聘し、ブラジルのCNPq(国立研究評議会)への報告書作成、ならびにポルトガル語による研究成果報告書の作成にむけての打ち合わせをおこなった。

報告書

(3件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (20件)

  • [文献書誌] 中牧弘允: "原始的宗教の伝統と変容 -三位一体、熱帯的世界観、原始家族主義、シャーマニズム" [増補]宗教に何が起きているか. 221-234 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中牧弘允: "タバコが意識のレベルを変える?" GEO. 22. 15- (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 古谷嘉章: "Tupy or not tupy, that is the question. -独立後のブラジルにおけるコロニアル言説" 比較社会文化. 2. 1-13 (1996)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中牧弘允: "シャーマンと神々 -インカルチュレーションをめぐる協調と葛藤" 宗教研究. 307(予定). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中牧弘允: "「アマゾンの開発とマディハの環境観」" アジア諸国における環境観に関する研究. (予定). (1996)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 木村秀雄: "水の国の歌" 東京大学出版会, (1997(刊行予定))

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hirochika Nakamaki: ""Tradition and Change in primitive religion : Trinity, Tropical World View, Primitive Familialism, Shamanism"" What is Happening in Religion. 221-234 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hirochika Nakamaki: ""Tobacco changes the level of consciousness? "" GEO. 22. 15- (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoshiaki Furuya: ""Tupy or not tupy, that is the question : Colonial Discour in Brasil after Independence"" Hikaku Shakai Bunka. 2. 1-13 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hirochika Nakamaki: ""Shaman and Catholic Father" (forthcoming)" Shukyo Kenkyu. 307. (1996)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hirochika Nakamaki: "The Development of Amazon and the Environmental View of Madija" (forthcoming)" The Study of the Environmental View of Asian Countries. (1996)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hideo Kimura: Publisher of Tokyo University. The Song of the Water Country (forthcomig), (1997)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 武井 秀夫: "「宗教と医療の多元主義-北西アマゾン先住民の場合」" 『ラテンアメリカ 宗教と社会』. 243-271 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 中牧 弘允: "「幻覚性植物と癒し 幻覚の未来」" 『季刊 民族学』. 71. 66-71 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 原 毅彦: "「幻覚性植物と癒し 癒しの現場」" 『季刊 民族学』. 71. 72-79 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 中牧 弘允: "「インディオ社会への関門」" 『月刊みんぱく』. 211. 15-17 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 中牧弘允: "「ブラジル・アマゾンのシャーマニズムと自然観-科研帰国報告」" ラテンアメリカ学会西日本支部 研究発表.

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 中牧弘允: "「焼畑をおぼえた「縄文人」-マディハ族の生活環境の変化」" Arctic Circle. 9号. 4 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 中牧弘允: "「三位一体の湖・川・魚」" エネルギーフォーラム. 470号. 11 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 木村秀雄: "「インディヘナと揺れる綱」" UP選書『いま、なぜ民族か』. (刊行予定). 119-133 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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