研究課題/領域番号 |
05041094
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩坪 五郎 京都大学, 農学部, 教授 (00026395)
|
研究分担者 |
スンレン カレヨン チェンマイ大学, 農学部, 講師
ポンサック サフナル カセッセート大学, 林学部, 準教授
萩原 秋男 名古屋大学, 農学部, 助教授 (90126889)
戸田 浩人 東京農工大学, 農学部, 助手 (00237091)
生原 喜久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014960)
武田 博満 (武田 博清) 京都大学, 農学部, 助教授 (60109048)
仁王 以智夫 静岡大学, 農学部, 教授 (40012083)
KHMYONG Soontorng Lecturer of Chieng Mai University
SAFUNALU Pongsak Associate Prof.of Kasetsart University
スントン カムヨーン チェンマイ大学, 理学部, 準教授
ボンサック サフナル カセッァート大学, 林学部, 準教授
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1994年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
キーワード | 養分利用効率 / 窒素 / 無機化 / 土壌呼吸 / 溶脱 / 分解 / 熱帯林 / 養分循環 / 北タイ / 常緑山地熱帯林 / 土壌 / リター / 降水 / 植生調査 / 葉群動態 / 土壌養分 |
研究概要 |
熱帯山地林における樹木-土壌系の養分維持機構を明らかにする目的で、1993年11月に調査地をせっていし、その後、1995年3月まで毎月以下の項目について調査を実行した。 1.調査地の設定 初年度の調査において、タイの北部チェンマイ近郊のコグマ-国立公園内の山地常緑林に調査地の設定を行った。1993年11月に山地集水域の一つの斜面に50mx100mの調査地を設定した。この調査地において日本とタイ側の研究者が共同して以下の項目を測定した。 2.森林調査地での植生調査 調査地の設定後、タイ側と日本側の研究者が共同して調査地の森林植生の胸腔直径、樹高、樹木の位置の測定を行った。調査結果、調査林分はシイ間マとシイ類により優占される熱帯常緑山地林として記述された。 3.斜面地形での土壌、気象条件の測定 斜面の下部と尾根部に自記温度計と土壌含水量計を設置して、調査地での土壌温度、土壌含水量の測定をおこなった。土壌温度は、季節的に変動が少なかったが、土壌の含水量は、雨期5月から10月と乾期の11月から4月で明瞭な差が認められた。こうした土壌の環境要因と土壌呼吸量、土壌の窒素代謝の季節変化を考察した(共同観測)。 4.森林生態系への外部循環系からの養分加入量の測定 斜面の下部から尾根部にかけて、5箇所に降水量測定装置を設定し、降水量と、降水に含まれる養分物質の濃度を2年間にわたって測定した。また、森林からの養分の流失量を河川での養分濃度の測定から明らかにした(岩坪、スントン)。 5.森林生態系への落葉による養分循環量 調査地に斜面の下部から上部に等間隔に20個のリタータラップを設定し、毎月、落葉を回収することで、落葉の供給量を測定した。また、樹種別の落葉量の様式を検討した。落葉試料を分析することで、落葉による養分の供給量を推定した。また、樹種別の炭素/窒素比から種間での養分の利用効率を検討した。 調査地に斜面の下部から上部に等間隔に20個のリタータラップを設定し、毎月、落葉を回収することで、落葉の供給量を測定した。また、樹種別の落葉量の様式を検討した。落葉試料を分析することで、落葉による養分の供給量を推定した。また、樹種別の炭素/窒素比から種間での養分の利用効率を検討した。 6.落葉分解過程での養分の動態 斜面の上部と下部に10x10mの調査地を設定し、森林の優占的な樹種2種の落葉分解の速度を、1994年5月から1995年3月まで毎月、リターバッグ法を用いて測定した。雨期の期間に落葉分解の速度は、斜面の上部に比べ、下部で高い傾向を示したが、乾期には斜面上部でのシロアリによる分解が大きく働いていた。熱帯山地林において落葉の分解は、微生物(菌類)とシロアリにより進行し、両者の分解への寄与は、乾燥の程度の高い尾根でシロアリ、斜面の下部で菌類の寄与の高いことが明らかとなった(武田、スントン)。 6.分解過程での落葉からの養分流失量の測定 林内の降水量測定地点において、1994年5月から1994年11月までの雨期の期間を通じて、リタバッグに封入した優占的な落葉2種での分解に伴う養分流失量を測定した(仁王、スントン)。落葉からの養分流失の様式を、土壌での落葉分解の養分溶脱期、養分不動化期間、養分の無機化期間との関連で考察した。 7.土壌呼吸量の季節変化 調査地の斜面の上部と下部に土壌呼吸測定のプロットを設定し、雨期と乾期に土壌呼吸量の測定を待った。土壌呼吸量は、斜面の下部と上部でいずれも明瞭な季節変化を示した(萩原、スントン、ポンサック)。
|