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中国における胃がんの血清疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05042001
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分がん調査
研究機関東北大学

研究代表者

深尾 彰  東北大学, 医学部, 助教授 (80156736)

研究分担者 姚 文慶  中国遼寧省腫瘤研究所, 流行病学研究室, 副研究員
坪野 吉孝  東北大学, 医学部, 助手
大堀 均  仙台市衛生研究所, 主幹
川村 美笑子  東北大学, 農学部, 助手 (70094745)
大原 秀一  東北大学, 医学部, 助手 (40223929)
OHORI Shinichi  Tohoku University
YAO Wenging  Liaoning Cancer Institute
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1993年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
キーワード胃癌 / ペプシノーゲン / ヘリコバクタ・ピロリ / β-カロテン / 慢性萎縮性胃炎 / 血清疫学
研究概要

1.一般住民における各種血清指標の分布の検討
瀋陽市内の供血センターに、20歳代から50歳代までの供血者のうち、各年代男女各50検体計400検体のパイロット血清の供与を依頼した。50歳代の供血者が少ないため、一部瀋陽市内医療施設の外来患者の血清を加え、最終的に380検体の血清を収集した。これらについて、ペプシノーゲンIおよびII値をダイナボット社製RIAキットにより、H.pylori抗体をバイオメリカ社製ELISAキットにより、β-カロテンをHPLC法により測定した。現在までに20歳代〜40歳代の3年齢階級の分析を完了した(β-カロテンについては全例を完了)。それらの測定結果の概要について述べる。
(1)ペプシノーゲン値:ペプシノーゲンI値の平均は男58.5±24.6mg/dl、女38.4±14.8mg/dlであり、宮城県の同年代の値(男47.3±17.5mg/dl、女44.7±17.6mg/dl)に比して男で高値、女で低値であった。ペプシノーゲンII値は男13.1±7.7mg/dl、女8.9±5.1mg/dl)で宮城県の値(男13.9±8.4mg/dl、女12.9±10.6mg/dl)に比べると女で低い傾向が見られた。ペプシノーゲンIおよびII値から診断される慢性萎縮性胃炎の有病率は、男5.2%(7/134)、女10.3%(15/146)で、宮城県の有病率(男30.0%、女26.7%)より有意に低かった。
(2)H.pylori抗体:陽性率は男40.3%(54/134)、女39.0%(57/146)であり、宮城県の陽性率(男50.8%、女35.0%)に比べて男で低い傾向が見られた。
(3)慢性萎縮性胃炎とH.pylori感染の関連性:慢性萎縮性胃炎有病者のH.pylori抗体陽性者率は85.7%(6/7)であるのに対し、慢性萎縮性胃炎のない者の陽性率は37.8%(48/127)であり、H.pylori感染のオッズ比は9.9と計算された。これは宮城県で行なった研究のリスク(オッズ比12.6)と同程度であった。
(4)β-カロテン値:男20.3±20.8μg/dl、女32.7±28.7μg/dlで、女性に有意に(p<0.01)高値であった。宮城県の40〜44歳のβ-カロテン値は男18.2±25.1μg/dl、女38.3±34.2μg/dlであり、β-カロテン値に関しては、日中の差が著明ではなかった。
2.胃がんのケース・コントロール研究
遼寧省腫瘤病院およびその関連病院に入院した胃がん患者をケース、同時期に入院した他疾患(がん、消化器疾患を除く)の患者をコントロールとしたケース・コントロール研究を行なった。これらに対し、医師によるライフスタイルに関するインタビュー調査および血清採取を行なった。現在までに、ケース50例、コントロール150例が集積されている。集積されたデータをもとにロジスティックモデルにより解析した結果について概説する。
(1)胃がんのリスクを有意に上げている要因:胃がんの家族歴(オッズ比34)、精神的なショック(オッズ比5.0)、せっかちな性格(オッズ比4.6)、不愉快なことをがまんする(オッズ比6.3)、くよくよしやすい(オッズ比2.5)、夕食を満腹になるまで食べる(オッズ比2.3)、暴飲暴食をする(オッズ比6.0)、塩辛いものが好き(オッズ比2.0)、現在喫煙(オッズ比3.7)。(2)胃がんのリスクを有意に下げている要因:生きがいがある(オッズ比0.3)、規則正しい食事(オッズ比0.3)、コウリャンの摂取(オッズ比0.2)、豚肉以外の肉類の摂取(オッズ比0.3)、卵の摂取(オッズ比0.4)、豆類の摂取(オッズ比0.2)、緑色野菜の摂取(オッズ比0.1)、その他の野菜の摂取(オッズ比0.1)、果物類の摂取(オッズ比0.4)、植物性油脂の摂取(オッズ比0.2)。
血清指標(ペプシノーゲン、H.pylori抗体、β-カロテン)は、ケースの目標数(200)に達成した時点で一括測定することにするため、今回は分析していない。

報告書

(1件)
  • 1993 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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