研究分担者 |
ACHARYA K.P. インド諸語中央研究所, 本部, 準教授
MOHANLAL Sam インド諸語中央研究所, 本部, 準教授
SINGH Ram.Ad インド諸語中央研究所, 本部, 元準教授
EKKA Francis インド諸語中央研究所, 本部, 教授
ANNAMALAI E. インド諸語中央研究所, 本部, 元教授
高橋 孝信 四天王寺国際佛教学部, 文学部, 助教授 (10236292)
児玉 望 熊本大学, 文学部, 講師 (60225456)
家本 太郎 京都大学, 留学生センター, 助教授 (60222832)
山下 博司 東北大学, 言語文化部, 助教授 (20230427)
峰岸 真琴 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20190712)
高島 淳 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (40202147)
町田 和彦 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (70134749)
RAJAPUROHIT B.B. International School of Dravidian Linguistics
GANESAN M. Central Institute of Indian Languages, Ministry of Human Resources, Government o
BASU A.K. Central Institute of Indian Languages, Ministry of Human Resources, Government o
RAJYASHREE K.S. Central Institute of Indian Languages, Ministry of Human Resources, Government o
NAIR V.Saratchandran Central Institute of Indian Languages, Ministry of Human Resources, Government o
RAJAPUROHIT B.B. ドラヴィダ言語学国際研究所, 教授
RAJYASHREE V インド諸語中央研究所本部, 講師
GANESHAN M. インド諸語中央研究所本部, 助手
BASU A.K. インド諸語中央研究所本部, 準教授
SARATCHANDRA ナイル インド諸語中央研究所南支部, 講師
ACHARYA インド諸語中央研究所本部, 準教授
MOHANLAL インド諸語中央研究所本部, 準教授
SINGH R.A. インド諸語中央研究所本部, 準教授
EKKA F. インド諸語中央研究所本部, 副所長教授
VISWANATHAM K. インド諸語中央研究所南支部, 講師
NAIR Saratch インド諸語中央研究所南支部, 講師
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1995年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
本年度は共同研究計画の最終年度に当るので、研究対象言語すべてについて、それぞれ次のような作業を行った。 (1)ベンガル語、ヒンディー語、マラ-ティー語、サンスクリット語(以上インド・ア-リア諸語)、カンナダ語、マラヤ-ラム語、タミル語、テルグ語(以上ドラヴィダ諸語)それぞれの基礎データを充実するため、新しい言語資料100万〜200万語をさらに電算機に入力し、これらのデータの校正を行った。 (2)前年度に作成した上記8言語の機械可読辞書を、新たに入力したデータに適用して測定し、文法情報を改良することによって向上させた。 (3)機械可読辞書に新しい辞書項目や語彙を追加し、登録語彙数を1万語まで増したほか、個々の語彙の意味記述を改善した。 (4)前年度までに作成した構文解析プログラム、単語の自動品詞分類プログラム、接辞分離プログラムなどの改善を図った。 (5)日本人研究者がインドを訪問したり、インド人研究者を日本に招聘したりして共同研究会を数回開き、調査研究中に生じた様々な疑問点を出し合い、互いに意見を交わし、討議を通じてその解決を図った。 (6)8言語の入力データを電算機で検索することにより、同系統言語同士、異系統言語同士、さらにそれら言語と日本語との間で、形態論的・統辞論的・意味論的比較・対照研究を行った。 以上の諸作業を通じ、われわれはいくつかの新しい知見を得ると同時に、今後解決していかねばならぬ諸問題を抱えることともなったが、本共同研究計画の成果としては、次の3点を挙げることができよう。 〔1〕ア-リア系4言語間およびドラヴィダ系4言語間それぞれにおける語彙の一致・不一致を、電算機を利用することによって一覧表の形で示すことができるようになった。その結果、同一系統諸言語の歴史的発達過程を解明するために必要な比較言語学的データが容易に得られるようになった。 〔2〕8言語の入力データを同時に検索・処理することが可能となったため、ア-リア系諸言語とドラヴィダ系諸言語の間の語彙の供用関係や文法上の相互影響が見やすくなった。 〔3〕ア-リア諸語、ドラヴィダ諸語、日本語という三つの異系統の言語を対照研究うることにより、単にそれぞれの系統の言語の際立った語彙的・文法的・意味的特徴を明らかにするだけでなく、西欧語を中心とする従来の文法概念では把握し得なかった言語形式を、全く新しい概念で処理することを可能にした。例えば、多くの西欧語の動詞は「進行形」と呼ばれる活用形式をもち、その動詞の「進行・未完了」の相を表示するが、ア-リア系と日本語は所謂「進行形」(ベンガル語「語幹+(C)ch-時制・人称語尾」,日本語「語幹+つつある-時制語尾」)のほか、「状態形」とでも呼ぶべき活用形式(ベンガル語の「語幹+e+ach-時制・人称語尾」,日本語「語幹+ている-時制語尾」)をも有し、動詞の状態を表示することが明らかとなった。 また、系統の言語特徴と類型の言語特徴とは必ずしも一致せず、地理的に近く存在し接触の可能性の高い言語間ほど似通った言語特徴を共有し、異る系統に属する言語同士でもむしろ同じ類型の言語と見なした方がいい場合すらあることがわかった。それに関連して、いったいどの言語特徴の一致・不一致をもって二つの任意の言語が同一系統に属するか否かを判定するのか、という大変難しい問題を抱える結果となってしまった。 さらにドラヴィダ諸語の同士活性形を「語幹+語尾A+語尾B」という二段接辞方式によって処理しようと試みたが、タミル語とカンナダ語では、不規則動詞の過去表示接辞と分詞接辞を同じ方式では処理しきれないことがわかったので、それぞれ独自の構文解析プログラムを開発せねばならぬ課題が生じた。 以上の成果を含め、本共同研究計画によって作成された機械可読辞書の情報内容は、すべて東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所によって開設されたインターネットのホームページに公開される予定であるが、既にヒンディー語とサンスクリット語の一部はホームページに登録され、外部からの検索が可能な状態となっている。
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