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ロシア連邦極東の大工業企業の労働組織再建の可能性に関する日ロ共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 05044015
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関北海道大学

研究代表者

荒又 重雄  北海道大学, 経済学部, 教授 (90000687)

研究分担者 テルーシュキナ エリザベ  ロシア科学アカデミー, 極東支部経済研究所, 研究員
レジェニョフ ミハイル  ロシア科学アカデミー, 極東支部経済研究所, 研究員
シュクルキン アナトリ  ロシア科学アカデミー, 極東支部経済研究所, 部門主任
モトリッチ エカテリーナ  ロシア科学アカデミー, 極東支部経済研究所, 学術書記
レンズィン オーレク マ  ロシア科学アカデミー, 極東支部経済研究所, 研究員
ミナーキル バーヴェル  ロシア科学アカデミー, 極東支部経済研究所, 所長
加藤 志津子  明治大学, 経営学部, 助教授 (30202013)
小田 福男  小樽商科大学, 教授 (80125377)
宮坂 純一  奈良産業大学, 経済学部, 教授 (30128821)
富森 孜子  札幌大学, 経済学部, 教授 (70073492)
奥林 康司  神戸大学, 経営学部, 教授 (90030717)
大津 定美  龍谷大学, 経済学部, 教授 (20081119)
望月 喜市  北海道大学, スラヴ研究センター, 教授 (80002989)
MOTRICH Ekaterina L.  INSTITUTE OF ECONOMIC RESEARCH FAR-EASTERN BRANCH, RUSSIAN ACADEMY OF SCIENCES,
RENZIN Oleg M.  INSTITUTE OF ECONOMIC RESEARCH FAR-EASTERN BRANCH, RUSSIAN ACADEMY OF SCIENCES,
MINAKIR Pavel A.  INSTITUTE OF ECONOMIC RESEARCH FAR-EASTERN BRANCH, RUSSIAN ACADEMY OF SCIENCES,
SHKURKIN Anatorii M.  INSTITUTE OF ECONOMIC RESEARCH FAR-EASTERN BRANCH, RUSSIAN ACADEMY OF SCIENCES,
TERUSHKINA Erizaveta N.  INSTITUTE OF ECONOMIC RESEARCH FAR-EASTERN BRANCH, RUSSIAN ACADEMY OF SCIENCES,
LEDENYOV Mikhail I.  INSTITUTE OF ECONOMIC RESEARCH FAR-EASTERN BRANCH, RUSSIAN ACADEMY OF SCIENCES,
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
キーワードロシア極東 / 職場組織 / 社会調査 / アンケート調査 / 労働態度 / 民営化
研究概要

課題の研究のために本年度中に実施された作業は、第1に、企業の民営化および私有化が進行している過程を、株式会社となった現在の企業の管理部メンバーから聞き取り、文書資料の供与をうける作業、第2に、前年度内に日本とロシアのティームの協議によって形式を確定していたアンケートを実施し、その結果を分析する作業である。
研究対象として、双方の協議によって選ばれたのは、ハバロフスクの代表的企業であるエネルゴマシ、レンマーシおよび縫製工場ボストークである。課題として立てた研究目的からすると、散漫にデータの数だけ確保しても意味がないので、特定の企業を選択し、その中の特定の各4職場を選び出した。のち、日ロ合弁企業であるレストランサッポロでも、追加的にアンケート調査を行った。有力企業の内部に入り込み、職場単位のデータを確保した研究は、ロシアでは珍しいし、少なくとも極東では初めてである。企業の株式会社化が進行していて、意思決定の主体が企業に移っていたこと、われわれの共同研究のロシア側ティームが、社会的な尊敬と信頼をえていることが、われわれの作業を容易にしていた。
とりわけ費用と精力を要したのはアンケート調査の方である。第1の作業は、アンケート調査への協力へのお礼をかねて実施した。双方の協議の上で形式を確定したアンケートの項目は78項である。ロシアの労働者が、人生に各側面に、どのように大きなあるいは小さい価値をおいているか、ロシアの労働者は、自分のまわりの様々な種類の人間関係を、どのように位置付けているか、ロシアの労働者は、企業の管理部や職場長の役割や権能について、どのように評価しているか、ロシアの労働者は、どの程度の企業帰属意識をもっているか、等々を明らかにすることを目指した。労働者アンケートの用紙は日本側で印刷し、4月中に相手方に発送した。通信と運輸が乱れている中でも、テレックスが利用出来た。日本の進出企業が、新しいビジネス便のルートを開発していたことが、大いに助けになった。
アンケートへの労働者からの回答750部のうち、用紙を配布して自己記入の結果を回収したレストランサッポロの52部のほかは、すべて6月以前に、調査員が職場に入って、直接に労働者から個別に聞き取る形で行われた。一人に20分ないし30分要した。印刷した100部のアンケート用紙は、研究資料としても利用されたから、ほとんどむだなく活用されたと言える。
調査の結果えられた資料は、ロシア側がコンピュータを利用してディスクに入力集積し、10月以降、それを双方で各個に分析し、結果を持ち寄り討論した。この討論の一部は、札幌近辺の研究者たちに公開された。さらに、11月にホノルルで開催された全米スラブ研究促進協会年次大会において、日本側メンバーの中の4名が、研究成果の一部を発表した。日本側のメンバーのコメントを含むロシア語版の研究報告書が、1994年春に出版予定である。
日本側の研究の成果は、1994年中に順次発表される予定であるが、これまでに得られた顕著な知見について述べれば、次のようになる。
労働者アンケートの結果からすると、ロシアの労働者たちの社会心理は、家族以外には心のより所が見当たらないほど、無政府的に分散し分子化している。企業や職場集団への帰属意識は高くはない。労働者は、自分たちは企業の経営に関する必要な情報を得ているとは思っておらず、また職場長も経営改善のために力を発揮する余力を持ってはいないとみている。しかしまた、紛争の発生とその結果のよしあしについて、企業と職場による違いが認められ、労働者の職場帰属意識についても、新しい市場経済への適応の容易さで差のある消費財部門と生産財部門とで、意味のある差があるように、見受けられた。
さらに、企業経営者からの聞き取り調査によって株式会社への移行の過程をみると、国有現物資産に対する民間貨幣貯蓄の圧倒的小ささが、新しい企業経営における古い集団性を残存させている傾向を、読み取れる。

報告書

(1件)
  • 1993 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 加藤志津子: "ロシア極東における企業民営化" 日ソ経済調査資料. (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤志津子: "ロシアにおける企業民有化と経営管理者,1992-1993秋" 明治大学経営論集. 41. 55-65 (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荒又重雄: "20世紀社会主義と労働者階級の世界史的能力" 九州大学経済学研究. 59. (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荒又重雄: "ハバロフスク工場労働者調査余聞" スラブ研究センターニュース. 55. 2-4 (1993)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] ヴェ・スピャン(望月喜市 訳): "ロシアにおける経済改革と民営化" 日ソ経済調査資料. 740. 2-13 (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] ヴェ・ルイビン(望月喜市 訳): "ロシアにおける民営化の諸問題" The COMPASS、三井物産調査研究月報. 20. 3-15 (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shizuko Kato: "Privatization of Enterprises in Far-Eastern Russia Nisso Keizai Chosa Shiryo" (1993)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shizuko Kato: "Privatization of Enterprises in Russia and Managers, 1992-1993" Meijidaigaku Keiei Ronshu. 41. (1994)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeo Aramata: "20 century Socialism and Ability of Working Class to Advancing World" Kyushu Daigaku Keizaigaku Kenkyu. 59. (1994)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigeo Aramata: "Some Episode around Research on Workers in Khabarovsk" Slavic Research Center News. 55. 2-4 (1993)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] V.Spyan, translated by Kiichi Michizuki: "Economic Reform and Privatization in Russia" Nisso Keizai Chosa Shiryo. 740. 2-13 (1994)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] V.Rybin, translated by Kiichi Mochizuki: "Problems in Privatization in Russia" The Compass(Monthly Research Report of Mitsui Bussan). 20. 3-15 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1993 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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