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道徳的社会化の態様と教育構造に関する日米比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 05044020
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関大阪大学

研究代表者

友田 泰正  大阪大学, 人間科学部, 教授 (90087883)

研究分担者 FINKELSTEIN ビー  メリーランド大学, 教育政策国際研究センター, センター長
ALTBACH P.G.  ニューヨーク州立大学, 比較教育センター, センター長
CUMMINGS W.  ニューヨーク州立大学, アジア研究プログラム, プログラム主任教授
岩槻 知也  大阪大学, 人間科学部, 助手 (60263191)
鍋島 祥郎  大阪市立大学, 同和問題研究室, 助教授 (40240832)
廿日出 里美  四国大学, 短期大学部, 教師 (40248323)
平澤 安政  大阪大学, 人間科学部, 助教授 (50243150)
伴 恒信  鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70173119)
原田 彰  広島大学, 教育学部, 教授 (90066241)
CUMMINGS W.K  ニューヨーク州立大学, アジア研究プログラム, プログラム主任教授
FINKELSTEIN B.  メリーランド大学, 教育政策国際研究センター, センター長
研究期間 (年度) 1993 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1993年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
キーワード道徳的価値 / 尊敬 / 責任 / 寛容 / 多様性 / 道徳的社会化 / 人格教育 / 多文化教育 / 教育社会学 / 児童・生徒調査 / 価値意識 / 学校教育 / 日米比較研究 / フィールドワーク
研究概要

今年度は、3ヶ年にわたるプロジェクトの最終年度にあたる年であり、日本側の研究者4名(伴恒信、廿日出里美、鍋島祥郎、岩槻知也)が渡米して、最終的な報告書の作成に向けての情報交換、作業の調整にあたった。以下に、この3年間の本研究の意義と概要を述べ、本年度の実績報告とする。
近年アメリカにおいては、犯罪や暴力の増加を反映して、国家の指導者が学校に強力な価値教育にカリキュラムを導入するよう提案してきている。日本においてもまた、いじめによる相次ぐ子どもの自殺が人々の関心をひき、どのようにしてこのような悲劇的な事態に対処するかということが、教育における焦眉の課題となってきた。わたしたちもまた、アメリカの場合と同様、より力強い道徳教育や人権のための教育といったものを必要としているのである。
このようにわたしたちは、道徳(価値)教育というものが重要であることを十分に承知している。とはいえ、どのような道徳的価値が強調されるべきかについてのコンセンサスを得ることは容易ではない。またたとえこの点についてのコンセンサスが得られたとしても、今度は道徳(価値)教育の効果的な方法も開発することが困難となるのである。
そこで本研究では、このような問題点の解決の和を見いだすために、アメリカの小学校における道徳的社会化の態様を、具体的な現場での観察や質問紙調査をもとに考察するとともに、日本との比較を若干行った。
わたしたちは、ある文化的環境のなかで育ちながら、その文化がもつ価値について学び、それを獲得していく。しかしながらその文化というものは、当該社会の全体的な文化と、その社会を構成するさまざまな集団の文化とから成り立っているものである。したがってこの道徳的社会化とは、比較的な視点および多文化的な視点というものを必要とするダイナミックなプロセスだといえる。加えて道徳的社会化は、学校のなかだけでなく、その他の社会的な環境のなかでも起こるものである。その点を踏まえてわたしたちは、初等教育を通じて子どもたちにより望ましい価値をじっくりと身につけさせるために、道徳教育というものがどのように計画され、実行されるべきかを慎重に分析しなければならない。
この研究においてわたしたちは、子どもの生活様式や態度に関する質問紙調査をもとに、初等教育のなかで培われた価値の内容を分析することを通して、日米の道徳的社会化の比較を行った。と同時に、尊敬や責任といった鍵となる重要な価値が、アメリカにおける人格教育のなかでどのように育成されているかを素摘することによって、理論的な枠組みの比較分析を行うことができた。さらにわたしたちは、多文化的な学校が、さまざまな文化的背景をもつ子どもたちにアメリカの価値を育んでほしい、また自分たちの家庭の価値も大切にしたいという要求を、どのように満たそうとしているのかについても素描した。多文化教育は、国家を分裂させるかもしれないという一抹の不安にもかかわらず、現実には差異を克服する統一体をつくりつつある。
価値教育は、しばしば教会がやっているような、ある道徳的な価値を押しつけるといったものと捉えられがちである。しかしながらこの研究が明らかに示しているとおり、価値教育や人格教育、多文化教育は、子どもたちが多文化的な社会に暮らす責任ある市民となるために必要な知識や技能、態度を培うことを目標とするものである。日本がグローバルな、また多文化的な国家となるにつれて、この研究の成果は、きわめて示唆に富むものとなるはずである。
以上が、3年間にわたる本国際学術研究の意義と概要である。これらの調査研究の詳細な内容については、別途一冊の報告書“Patterns of Value Socialization in U.S.Primary Schools-a Comparative Study"作成する。

報告書

(3件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 平澤安政: "アメリカの学校における生徒指導" 日本教育. 228. 6-9 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] HIRASAWA,Yasumasa: "Student Guidance of Schools in the United States" Education in Japan. 288. 6-9 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 友田 泰正: "道徳的社会化の態様と教育構造に関する日米比較研究" (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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