スピッツベルゲンISレーダに関する国際共同研究

• 研究課題/領域番号: 05044048
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 共同研究
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 松浦 延夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (90209495)
• 研究分担者: VAN Eyken A. EISCAT科学協会, 本部トロムソ観測所, 副本部長 ; WATKINS B.J. アラスカ大学, 地球物理学研究所, 教授 ; BREKKE A. トロムソ大学, 数理物理学研究所, 教授 ; ROETTGER J. EISCAT科学協会, 本部, 本部長 ; 岡野 章一 東北大学, 理学部, 助教授 (10004483) ; 小野 高幸 東北大学, 理学部, 助教授 (10141996) ; 柴田 喬 電気通信大学, 電子工学科, 助教授 (80017417) ; 鶴田 浩一郎 宇宙科学研究所, 教授 (10013682) ; 平澤 威男 国立極地研究所, 教授 (30011571) ; 深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249) ; 野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (60212130) ; 藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00132712) ; ROETTGER Jurgen Headquarters, EISCAT Scientific Association ; VAN EYKEN Anthony p. Tromso Station, EISCAT Scientific Association ; ROTTGER J. EISCAT科学協会本部, 本部長
• 研究期間 (年度): 1993 – 1994
• 研究課題ステータス: 完了 (1994年度)
• 配分額: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円); 1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円); 1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
• キーワード: スヴァールバル / スピッツベルゲン / ISレーダ / 日欧協力 / EISCAT科学協会 / ディッシュアンテナ / レーダシステム / カスプ・極冠域 / 日欧協同 / EISCAT / ディシュアンテナ / カスプ域

研究概要

太陽地球環境の研究において、太陽風・磁気圏・電離圏・大気圏結合過程の解明は重要な研究テーマの一つである。このテーマに関する観測研究を発展させる上で、スヴァールバル諸島スピッツベルゲン島は地球物理学的に重要且つ貴重な場所にあり、またISレーダが極めて有効な地上観測の手段であることから、本国際学術研究により「スピッツベルゲンISレーダ」に関する日欧国際共同研究を進めてきたところである。共同研究の相手であるEISCAT科学協会自体が欧州6か国(英、独、仏、ノルウェー、スウェデン、フィンランド)の研究機関が加盟する国際共同研究機関であり、1991年以降日本からEISCAT科学諮問委員会(SAC)に外部委員を派遣するなど、「スピッツベルゲンISレーダ計画」に関する日欧共同研究を進めている。
1992年、EISCAT加盟国関でスピッツベルゲン島ロングイヤビン近郊に「EISCATスヴァールバルISレーダ(ESR)」を建設するための基本合意が得られ、また、日欧協力については、ESRの機能向上を図るため日本側がESR第二アンテナの建設を分担する方向で双方の意見がまとまり、この案にEISCAT側も期待している。EISCAT科学協会がESRの建設に着手した1993年から、日欧協力に向けての動きが活発になった。1993年4月には、EISCAT・SACがESR計画への日本参加を期待する声明文を決議しており、1993年8月には、国際電波科学連合京都総会においてEISCAT名古屋大学共同でスヴァールバルISレーダ計画の展示を行った。1993年9月には、EISCAT代表団が同計画の説明のため名古屋大学総長および文部省を訪問している。1994年5月に文部省および国立極地研究所の代表が、また同6月に名古屋大学の代表がスピッツベルゲンの現地視察を行っている。1994年9月には、EISCAT代表団が文部省を訪問し、日本とEISCATとの協力について双方の理解を深めた。
一方、スヴァールバルISレーダ計画および既設のEISCATレーダに関する研究面での動きも活発に進められている。欧州宇宙機構(ESA)が1996年初頭に打上げを予定しているクラスター衛星とISレーダ等地上観測との共同研究に関する検討会が1994年5月フランスで開催され(松浦を派遣)、同6月には、スピッツベルゲン・ロングイヤビンにおいてスヴァールバルISレーダを中心とする極域研究会並びにレーダ基地現地調査(松浦を派遣)が行われた。日本の研究者とEISCAT研究者の交流を深め、研究面での発展を促進するため、名古屋大学太陽地球環境研究所とEISCAT科学協会の共催により「日本-EISCAT国際シンポジウム」を1994年8月31日から9月3日の4日間鳥羽において開催した。同シンポジウムの研究テーマは、概観講演、極域現象の研究、スヴァールバルISレーダ、研究計画、EISCATレーダとESRの利用に関するワークショップおよびパネル討論で構成され、日本および欧州の研究者等による計59編の研究発表が行われた。同シンポジウムの参加者は、欧州7か国から16名(EISCAT本部からレットガ-、ファンアイケン両博士を招へい)、米国から1名、日本から42名の研究者が出席して、研究成果等の発表並びに活発な討論を展開した。なお、同シンポジウムの発表論文の特集を学会誌に出版する準備を進めている。
EISCAT科学協会が現在運用しているレーダのデータを用いた共同研究を進めており、1994年9月には電離圏イオン組成に関するスウェーデおよびドイツとの共同研究(柴田を派遣)、同11月および1995年2月にはEISCATレーダのデータベースを名古屋大学太陽地球環境研究所に構築するためのノルウェー・トロムソ大学との共同研究(野澤を派遣)、1994年11-12月にはEISCATレーダ、ロケット(宇宙科学研究所)およびオーロラ光学測定装置(名古屋大学)による共同観測を行った(藤井を派遣)。1994年10月にはEISCAT科学諮問委員会(SAC)においてスヴァールバルISレーダ等に関する討議に参加した(SAC外部委員として藤井を派遣)。1994年には、EISCATスヴァールバルレーダ計画への日本の参加について、文部省、国立極地研究所、名古屋大学が検討を進めた。

研究成果

• [文献書誌] 松浦延夫: "中層・超高層大気圏のイオン化学過程と水蒸気循環" 気象研究ノート. 181. 111-125 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Fujii,R.: "Electrodynamic Parameters in the night-time sector during auroral substorms" Journal of Geophysical Research. 99. 6093-6112 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Brekke,A.: "Studies of the E-region neutral wind in the quiet auroral ionosphere" Journal of Geophysical Research. 99. 8801-8825 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Nozawa,S.: "Studies of the E-region neutral wind in the disturbed auroral ionosphere" Journal of Geophysical Research. (印刷中). (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Matuura, N.: "Processes of Ion-chemistry in the middle-upper atmosphere and circulation ofwater vapor (in Japanese)" Meteorological Research Note. 181. 111-125 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Fujii, R.: "Electrodynamic parameters in the nighttime sector during auroral substorms" Journal of Geophysical Research. 99. 6093-6112 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Brekke, A.: "Studies of the E-region neutral wind in the quiet auroral ionosphere" Journal of Geophysical Research. 99. 8801-8825 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Nozawa, S.: "Studies of the E-region neutral wind in the disturbed auroral ionosphere" Journal of Geophysical Research. in press. (1995)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] 松浦 延夫: "中層・超高層大気圏のイオン化学過程と水蒸気循環" 気象研究ノート. 181号. 111-125 (1993)
• [文献書誌] 藤井 良一: "Electrodynamic parameters in the nighttime sector during auroral substorms" Journal of Geophysical Research. (in press). (1994)
• [文献書誌] A.Brekke: "Studies of the E-region neutral wind in the quiet auroral ionosphere" Journal of Geophysical Research. (in press). (1994)
• [文献書誌] 松浦 延夫: "Japanese cooperation with EISCAT on Svalbard radar" Proc.of Japan-Norway Symposium. (1994)