研究課題/領域番号 |
05044078
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 会津大学 (1995) 筑波大学 (1993-1994) |
研究代表者 |
池辺 八洲彦 (池辺 八州彦) 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (10114034)
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研究分担者 |
NISHIKAWA Ke ライス大学, 物理学部, 上級研究員
NEUBERT Tors ミシガン大学, 工学部, 上級研究員
BUNEMAN Osca スタンフォード大学, 工学部, 名誉教授
伊藤 利明 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60201927)
蔡 東生 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (70202075)
CAI Dong sheng Univ.of Tsukuba
KENICHI Nish アイオワ大学, 宇宙物理工学科, 助手
TORSTEN Neub ミシガン大学, 工学部, 助手
OSCAR Bunema スタンフォード大学, 工学部, 名誉教授
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | SIMD / MIMD / HPF / MPI / PIC code / HPC / データ並列 / メッセージパッシング / 超並列 / 粒子シミュレーション / データパラレル / スケーラビリティ / 局所性 / 粒子コード / 並列処理 / プラズマ / TRISTAN / Eulerian / Lagrangian / Modified Lagrangian |
研究概要 |
本国際学術研究では、並列粒子計算コードの研究をおこなった。本研究ではおもにデータ並列型の粒子計算法を行う予定であった。現実に研究をはじめてみて判明したことであるが、並列計算機の開発は冷戦の崩壊により、科学技術計算のための特別に高速な計算機は軍事予算削減のためにほとんど開発はストップしており、データ並列方式を想定した計算機例えばSIMD型の超並列計算機等は姿を消しつつあり、むしろ、民生用技術、特に、ワークステーション技術をベースにしたス-パスカラRISC型プロセッサを利用したMIMD型並列計算機がビジネス用に多く利用されており、データ並列型計算機コードは、現実のハードウェアに即したプログラミングモデルとしてではなく、単なるプログラミングスタイルとしてのみ利用されていた。このようなビジネス利用を想定した並列計算機においては、メッセージパッシング型の並列計算が主流でプログラム効率は非常に高いが、プログラミングとデバッキングが大変である。そこで、われわれはまず、並列計算機の性能をはかるためだけに、メッセージパッシング型粒子コードを開発した。さらにこのモデルでは並列計算機の初期化、フィールドソルバ、粒子プッシュ、電荷デポジットと粒子法の基本部分のみからなるスケルトンコードモデルを提唱し、それを利用した。このモデルをもとに、データ並列型粒子コードをメッセージパッシング型粒子コードと同様に比較、並列計算機性能計測のため開発した。このモデルでは、データ並列に強く固執するとMIMD型計算機では高性能なコードを得ることが難しいので、少し条件を緩和してオペレーションごとではなく単位サブプログラムごとに並列計算機の通信同期をとるSPMD (Single Program Multiple Data)型のモデルに変更して、メッセージパッシング型の並列粒子計算コードの性能に近づくよう努力した。その結果、SPMDモデルを採用した2次元粒子コードの速度ではメッセージパッシングモデルに対して1.5倍以下に押さえられるコードの開発に成功した。従来データパラレル型では5-10倍の速度の劣化が見られたのでこの結果は画期的である。今後3次元などへ拡張してその結果はJournal of Computational Physics等で公式に発表される予定である。 本研究では本来、数百億、数十億、数ギガの粒子とグリッドデータ即ちフィールドデータを扱うことを目的とし、コネクションマシンのようなSIMD型の並列計算機に即したアルゴリズムの開発が目的であった。粒子とグリッドデータ間通信を最小に押さえるため、粒子のソ-ト法を新たに考え出し計算の局所性を高める。次に、粒子のFlux Splitting法を考え出し、粒子・グリッドのデータ通信を最適にした。フィールドソルバ、粒子ブッシュなどの基本アルゴリズムをインプリメントし、データを各プロセッサで局所的に処理をするためのソ-ト法、Flux Splitting法を開発した。現在128プロセッサCRAY T3Dを使い6億個の粒子を扱うシミュレーションが可能となった。しかし、現実には上述のとおり、データ並列プログラミングは現在ただ単なるプログラミングスタイルであり、これを並列計算機で実行する場合、効率は悪すぎる。したがって、データ並列条件を緩和し、SPMD型に直す必要があった。これにより、太陽風と地球の磁気圏の干渉シミュレーションが高効率で可能となり、地球と太陽磁場のつなぎ替え問題即ちリコネクション問題を扱うことが可能となった。今後、扱える粒子の数を60-600億へと増やして行き、統計的なノイズを減らしより現実的な問題を扱えるようにし、リコネクション問題を位相学的に扱えるようなモデルにしていきたい。基本的なアプローチとしてはデータパラレル型アルゴリズムとタスクを並列化するメッセージパッシング法が考えられたが、この場合、アルゴリズムのスケーラビリティ等の面からSPMDモデルがベストであることが判明した。研究方法としては、更に類似の計算機で試して行きたい。
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