研究課題/領域番号 |
05044085
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
服部 俊幸 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (50134648)
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研究分担者 |
DUDU D. ルーマニア国立原子物理研究所, 主任研究員
IVANOV E. ルーマニア国立原子物理研究所, 教授
PASCOVIC G. ルーマニア国立原子物理研究所, 教授
森永 晴彦 ミュンヘン工科大学, 教授
藤沢 高志 電気興業株式会社, 高周波研究室, 室長
古野 興平 筑波大学, 加速器センター, 教授 (40015772)
志田 喜次郎 (志田 嘉次郎) 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (30013428)
小栗 慶之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (90160829)
FURUNO K. University of Tukuba
SHIDA Y. Univ.of Tokyo, Institute for Nuclear Study
OGURI Y. Tokyo Institute of Technology, Research Laboratory for Nuclear Reactors
MORINAGA H. Technischen Universitat Munchen
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 1H線形加速器 / 高電力効率 / 有用同位元素生成 / 実用型加速器 / 医療用加速器 / IH線形加速器 / 重陽子加速器 / PET / 有用同位元素 / D・T国際分業 |
研究概要 |
格段に加速電力効率が優れた、1H型線形加速器の基礎研究用高、中エネルギー領域のイオン加速がドイツ及び日本で成功し、1H型イオン線形加速器がほぼ完成した。これら基礎研究用で大電流加速可能な1H型線形加速器を医療用や半導体生産用など産業のための小型で信頼性の高い実用機に発展させ、完成させることが本研究の目的である。医療、産業用のイオン加速器は技術的に確立した静電型加速器やサイクロトロンが現在使用されているが、比較的エネルギーが高く、イオンの高電流化のためには、電子加速器の静電加速器やベータートロンが電子線形加速器に置きかわったと同様に実用型のイオン線形加速器が有利となる。この完成により真の民生用の加速器利用形態が完成することになり非常に意義あることである。そこで実用型線形加速器の象徴として有用放射性同位元素生成用の重陽子、3重陽子加速専用1H型線形加速器を日欧の知識と技術を結集して開発研究を行う。 本共同研究が日欧の知識の集約により医療用1H線形加速器のシステムデザイン研究が主であったものが、非常に幸運にも加速空胴をドイツの予算でル-マニアで製作し、基礎電磁特性テストを平成5年度に開始できた。 そこで平成6年度はイオン源、イオン入射系、収束レンズ、加速イオン分析系及び加速空胴真空排気、イオン源真空排気系を整備した。又加速テストを行うための、高周波電源を加速空胴共振器の高周波特性に合わせて、調性を行った。この結果平成6年度の研究計画に有る高周波源及び全体制御システムの開発デザインだけでなく実際の装置を完成することが出来た。これら医療用1H型線形加速器の加速特性試験を行う加速テスト装置を国際学術研究共同研究の費用により招へいした外国人研究者と共同して完成させた。そして非常な小イオン量のテストによりこの加速器システムが計算にかなり近い性能を持っていることが実験的に検正された。通常の電流量による加速実験は加速装置の有る東京工業大学・原子炉工学研究所、原子科学研究室の放射線管理変更申請が承認された時点で開始する予定にしている。 一方現在ル-マニア国立原子物理研究所で進んでいる医療用3重陽子加速専用1H線形加速器完成へ加速特性実験データ及びノウハウを3重陽子加速器完成へ向けて知識、技術を還元している。その結果ドイツより移設した3重陽子1H型線形加速及び入射用デイスクトロンを組立て整備を行った。デイスクトロン入射器を必要性能の500KVまで性能アップすることが出き、性能特性実験を完成した。現在第11H型線形加速器の高周波源及び、高周波波ロ-レベル制御回路系の整備を行い、最初の小電流の加速実験を行うことまでの一歩手前までこぎつけることができた。追加速を行う第21H線形加速器のデザインを完了した。加速空胴共振器の製作は経済的混乱のためにあまりスムーズに進行してはいない。しかし研究成果はル-マニアの3重陽子加速計画に環元されている。 国際学術研究共同研究の旅費が国際研究を大きく発展させることができた。又実用型1H線形加速器の開発研究が、放射性同位元素の有効利用研究に関する理想的国際分業を成功させ、日本ではPET用重陽子加速専用1H型線形加速器の開発、ル-マニアでは^<42>Kなどの有用放射性同位元素生成用3重陽子の加速専用1H型線形加速器の開発を発展させる起爆剤となった。 又この放射性同位元素生成の国際共同研究からの分枝として、半導体生産用重イオン1H型線形加速器の国際共同研究も、ドイツのミュンヘン工科大学重イオン科学研究所、ル-マニア原子物理研究所・物理核工学研究所と東京工業大学・原子炉工学研究所との4者による研究が開始された。 国際学研究・共同研究は平成5年、6年の2年で修了したが、我々の国際共同研究はグループを増やし増々さかんになりつつあり、文部省の外国旅費は非常に有効であった。
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