研究課題/領域番号 |
05044101
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷内田 正彦 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029531)
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研究分担者 |
HYUN Seung Y 韓国先端科学技術大学, 計算機工学科, 準教授
辻本 浩章 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (90172014)
八木 康史 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (60231643)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 移動ロボット / 画像理解 / 視覚誘導 / 実時間 / 全方位視覚 / 局所視覚 |
研究概要 |
ロボットが移動するためには環境全体の詳細な計測は必要としない。一方興味がある対象(作業対象)については、その詳細な形状を計測する必要がある。本研究では、大まかに全体の位置を観測できる大局視覚と興味がある対象のみを詳細に観測できる局所視覚を融合することで不必要な観測はせず高速処理可能な視覚機能を実現する。さらに大局、局所視覚情報を実時間処理装置上で実現することを目的とする。本年度は、大局視覚、局所視覚各々の処理方法の確立及び両処理内容を実時間で処理するための画像処理システムの構築した。 1.全方位視覚の研究 円錐ミラーを用いた全方位視覚センサより得られた全方位画像より多くの移動物体(人、車など)が混在する環境下(ビル内、交差点、公園など)で、ロボットの自己位置計測、物体との衝突回避およびその位置、運動の推定を行う移動ロボットのための視覚誘導方式について研究した。具体的には、ロボットは移動しながら全方位情報を一度に撮像し、次に時系列画像間での観測点の移動軌跡を計測する。この移動軌跡の形状は物体までの距離により一意に決定される幾何学的性質を持つ。そこでこの性質を利用し位置情報を獲得した。また時系列方位情報より壁面を仮定することでロボットの移動自由空間の推定を行い、さらに得られた位置情報を基に未知環境の環境モデル(2次元マップ)を構築した。再びこの環境を移動する時は、モデルとの照合により簡便にかつより正確に位置を推定した。 さらに移動軌跡の形状から未知物体との衝突危険性の評価、衝突回避を行なった。その結果、静止障害物を回避し目標ゴールまで到達する実験を行い、最終的に約5cmの精度でゴール位置に到達できた。また移動物体を含む環境では、物体及びロボットに対し等速直線運動を仮定すれば、物体の位置、運動速度は推定できた。 2.局所視覚の研究 従来、2台のカメラによる立体視では、観測点の両カメラ間での対応位置を検出することが困難であった。そこで本研究では、大局視の情報と3眼視の原理を用いロボット移動に伴う異なった視点からの観測情報により興味がある物体の詳細な形状を認識する研究を行なった。具体的には、ステレオカメラを搭載したロボットが獲得した時系列ステレオ画像に対して3眼視の手法を適用し、各視点の位置関係から生じる幾何学的な拘束から線分単位の時空間の対応付けを行なった。なお対応付けにおいて、精度の良い3次元情報を得るためにはロボットの正確な位置を知る必要がある。正確なロボットの位置情報は、全方位視覚の情報を利用した。また大局視による対応付けにおいては、大局視で観測された垂直エッジの推定位置を局所視(両眼視)の画像面上に透視変換することで局所視上で垂直エッジの対応付けを効率的に行った。 3.実時間画像処理システムの研究 上記処理方法を実時間で画像処理するためのシステムを構築した。局所視に関して実時間処理が可能となったが、大局視情報の融合に関しては現在評価のための環境を構築中である。処理速度等の評価を行なっている。今後は、移動ロボット上に上記大局視覚、局所視覚のセンサを搭載し、建屋内(室内廊下)の実環境下で、上記処理方法と実時間画像処理システムの実用上の問題点を明らかにする。
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