研究課題/領域番号 |
05044107
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梶山 千里 九州大学, 工学部, 教授 (60037976)
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研究分担者 |
大石 祐司 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70194074)
菊池 裕嗣 九州大学, 工学部, 助教授 (50186201)
高原 淳 九州大学, 工学部, 助教授 (20163305)
MACKNIGHT Wi マサチューセッフ大学, 高分子工学科, 教授
MACKNIGHT William j. Professor, Department of Polymer Science University of Massachusetts
MACKNIGHT W. マサチューセッツ大学, 高分子工学科, 教授
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 液晶ポリウレタン / 表面構造 / ミクロ相分離構造 / 原子間力顕微鏡 / タンパク吸着 / 表面分子運動 / 生体適合性 / 表面構造制御 / ポリウレタン / 表面分子運動特性 / 血液適合性 / 生医学材料 |
研究概要 |
液晶性セグメント化ポリウレタン(LCPUE)は,ソフトセグメントがポリオール,ハ-,グメントがビフェニル系の液晶基とトルエンジイソシアナ-ト(TDI)の繰り返しからから構成されている。このLCPUEは従来の結晶性ハードセグメントをもつポリウレタンとは異なった凝集構造、力学物性、生医学機能を示すものと予測される。平成6年度は日本側では「液晶ポリウレタン表面の分子運動特性評価法の確立」、「液晶ポリウレタン表面構造解析法の確立」について研究を進めてきた。さらに平成5年度に引き続いて原子間力顕微鏡観察(AFM)によるタンパク質の吸着挙動の評価に関しても検討した。一方、米国側では液晶ポリウレタンの合成及び基礎物性の評価が進行した。 1)液晶ポリウレタンの合成 1モルのポリテトラメチレンオキサイド(PTMO)と2モルのトリエンジイソシアナ-ト(TDI)からプレポリマーを合成し、液晶性のジオール1モルで鎖延長することによりLCPUEを得た。得られたLCPUEの熱的性質、凝集構造を明らかにした。 2)液晶ポリウレタン表面の構造解析法の確立 LCPUEの生医学材料としての応用は生体という水に富んだ環境で行われるので、通常の固体表面解析法のみでは生体適合性に関連した表面の組成を明らかにすることができない。含水状態での凍結乾燥X線光電子分光法(Freeze-etch XPS)、動的接触角法を用いて含水状態での表面構造の解析法を確立した。さらに表面形態の相分離状態の熱処理温度依存性を原子間力顕微鏡測定に基づき明らかにした。 3)ポリウレタン表面の分子運動特性の評価 LCPUE(Mn)は、403Kに、ハードセグメントの液晶一等方相転移を示した。XPS測定の結果はLCPUE(Mn)表面には、表面自由エネルギーの低いPTMOが濃縮されることを明らかにした。製膜後のLCPUE(Mn)表面のAFM像はnmオーダーで平滑であった。LCPUE(Mn)の378Kの熱処理によりハードセグメントの秩序性が向上した。LCPUE(2000)の場合、熱処理に伴い表面に数nmの高さの凹凸が生成した。SVM観察の結果、凸部分の弾性率は凹部分に比べて低く、凸部分がソフトセグメントに富んでいることが示唆された。このような構造はゴム状態のPTMOが表面で形態エントロピーを増大させようと収縮したことに起因すると考えられる。 4)ポリウレタン表面と生体成分の相互作用 ポリウレタン表面と血漿タンパク質の相互作用をフーリエ変換正規外吸収フローセル法に基づき評価し、ソフトセグメントの分率と血漿タンパク質の吸着速度、吸着量の関係を明らかにした。 5)ミクロ相分離モデル表面へのタンパク質の吸着挙動 有機シラン混合単分子膜をラングミュアー法に基づき調製し、相分離表面を得た。相分離表面を認識したタンパク質の吸着挙動をAFM観察により直接観察した。
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