研究課題/領域番号 |
05044109
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
藤原 賢三 九州工業大学, 工学部, 教授 (90243980)
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研究分担者 |
SCHNEIDER Ha フラン, ホーファー応用物理学研究所, 研究員
PLOOG Klaus ポール, ドルーデ固体エレクトロニクス研究所, 所長(教授)
中山 正昭 大阪市立大学, 工学部, 講師 (30172480)
HARALD SCHNE フラン, ホーファー応用物理学研究所, 研究員
KLAUS PLOOG ポール, ドルーデ固体エレクトロニクス研究所, 所長(教授)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 半導体超格子 / ミニバンド / 光スペクトル / シュタルク効果 / 電気光学効果 / 光伝導 / バン・ホ-フ特異点 / ヘテロ界面 |
研究概要 |
本研究は、メゾスコピック領域における低次元量子物質系の物性現象である、ヘテロ半導体格子のワニエ・シュタルク局在性とその特性を明らかにすることを目的になされたものである。人工的に設計・作製された結合量子井戸系としての、半導体超格子における量子状態の特質を明らかにするとともに、量子準位系の電界シュタルク効果の結果として現われるシュタルク階段準位構造、ミニバンド分散性、量子波トンネリング振幅、量子波の干渉性と共鳴結合効果、励起子効果、量子状態における擬束縛性などについての諸概念を、光電流スペクトル法などの光学的実験手法として用いることにより、発光・光吸収過程にかかわる光スペクトル構造の決定要因及び光励起に伴うキャリアー輸送過程を静的動的に明らかにした。その結果、得られた主な成果を以下に列挙した。 1.半導体超格子光吸収スペクトル構造について得られた成果 (1)、ミニバンド幅と基礎吸収端光スペクトル構造の相関、即ち、ミニバンドの分散性との対応関係を系統的に明らかにすることができた。 (2)、従来は、実験的に明らかでなかった、ミニバンド頂上のバン・ホ-フ(Van-Hove)特異点、即ち、鞍点における励起子効果を初めて系統的に明らかにした。 (3)、量子井戸ヘテロ界面の面内揺らぎの空間的分布と発光過程との相関を明らかにした。 (4)、量子井戸ヘテロ界面の面内揺らぎに起因した成長島テラス構造と励起子発光過程、局在過程との相関を研究し、不均一スペクトル幅揺らぎの二重構造性を明らかにした。 2.強電界下での光スペクトル構造と量子伝導性について得られた成果 (1)、シュタルク階段準位の共鳴励起による超格子ダイオード間の過渡的分極効果と透過光強度振動との相関を明らかにした。 (2)、強電界下では、量子状態の超薄膜バリアー外部へのトンネル脱出に起因した、擬束縛性が超格子光吸収スペクトル線幅の広がりとして観測できることを示した。 (3)、共鳴準位光励起により生成したキャリアーの量子伝導性を調べ、量子半導体系では、再結合寿命に依存した正負のスペクトルパターンが現われることを明らかにした。 (4)、時間分解発光分光法により、超格子励起子の動的発光過程に及ぼす電界効果を研究し、励起子の解離イオン化とキャリアーのトンネル伝導過程との相関を明らかにした。 (5)、2重周期超格子におけるシュタルク階段準位量子波間の干渉による共鳴結合効果を明らかにした。 (6)、狭いミニバンド幅を有する超格子における、シュタルク階段準位構造と励起子効果が光吸収スペクトルに及ぼす効果を明らかにした。 3.シュタルク階段準位光学遷移について得られた成果 (1)、シュタルク階段光学遷移の振動子強度を測定し、強結合理論により電界強度依存性とミニバンド幅依存性を説明した。 (2)、シュタルク階段光学遷移の振動子強度と量子井戸局在準位間の共鳴結合効果を明らかにした。 (3)、純光学的評価手段であるエレクトロレフレクタンス法により、シュタルク階段光学遷移の振動子強度を測定・評価し、強結合理論との比較により、その特性を明らかにした。 (4)、浅い障壁層を有する超格子について、障壁層ポテンシャル上の擬束縛状態としてのシュタルク階段準位構造の存在およびそれらと障壁層ポテンシャル下のシュタルク階段準位との量子結合効果を明らかにした。
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